もともと恋愛には疎かった高校生活で得たものは同世代の女性に対する拒否感だった。(笑) もちろんその代表がいっちゃんであったわけだが、彼女が部活を去った後もラザのアタックは続いており、彼から彼女の近況がボソボソと細切れに耳に入ってくる感じだったと思う。彼女のことを払拭しようとしたかは記憶にないが、依然としていっちゃんの名が仲間内で飛び交うことの愚に気付くのがいささか遅かったようだ。
高田馬場は早稲田大学もあってか街並みが学生に都合の良い構造になっているようだ。予備校が終わって帰宅までに時間があると決まって私は本屋のハシゴをするのだった。能力も無いのに理想だけは一人前のつもり。手に取る本は自分には荷の重い参考書や専門書ばかり、とても現実を直視していたとはいえない。ただそれはその時に始まったものでもなく、高校入学時に受けたカルチャーショックが3年を経てこんな形で現れていることとの関連性は否定しない。もちろん過去は今現在の私を支える土台である。良し悪しはあるが、そういった思い出したくないおバカな過去を拒否するつもりもない。
話が横道に逸れた。本屋のハシゴ自体は楽しい時間だった。本屋に行かない日はないくらいだった。ただレジに立っているのは大抵学生風の若いバイトの女性なのだ。本屋に行くとまずそれを確認して「ここでは本は買えない」と判断すると立ち読みだけして、購入したい本が有る無いにかかわらず、そそくさと立ち去るのだった。
今思うと、とてもヘンなやつである(笑)。
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