あお日記

2002年10月18日(金) 嶋さんとの間


 長い間音信が不通だった謝罪と近況報告の手紙に、嶋さんは間髪いれず返事をしてくれた。そしてその筆跡のなつかしさと裏腹な彼女の心の成長を読み取った私は、きっと当時はそれが単純に不愉快だっただけで今現在それを読み返した時のような好意的な印象は受けなかったのだろうことがとても寂しい。それは私自身の音信不通が原因で意思の疎通を欠いたこともあり、その間に何も成し遂げていない自分との比較が苦痛だったのか。

 知り合った頃はどちらかと言えばお互いに理科系を目指していたのだが(趣味の天文で出会ったのだからまあ当然か)、嶋さんが最終的に選んだ学科は「哲学」でした。とても努力家で芯の強い彼女は、「嶋さんの受験の邪魔になるから」と取って付けた理由で手紙を書かなかった間に、文字通り自分を見失うことなく葛藤を続けつつ目標を達成して見せた。以前の往来が活発だった頃、私は彼女の中にある反発に気付いた際、それが家族に対するものだと教えてくれたことがある。この時もらった手紙にはそれすら順調に淘汰しつつある旨が書かれていた。

 1年が経過してみて彼女との状況の差は明らかだった。私の中に焦る気持ちが生まれた。




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