あお日記

2002年10月06日(日) 冬の到来


 我が部における夏の活気からすればその冬の静けさは、良く言えば我々3年男子で占拠してしまった状態で、活動的な動きもなく怠惰で、ただひたすらに時間だけが過ぎていった。そろいも揃って進学に否定的だったので時間を持て余していた我々だったが、もともと勉学が嫌いではないタケダは思いついたかのように英検2級の受験を決意したものの、これまで通り放課後は当ての無い一時の快楽な時間を彼に促してしまった私かもしれない。まあそれでもあっさり受かるところが彼らしい伝説(笑)。

 文化祭が終わっていっちゃんがいなくなってからも、当然のように文章を書いてみた。ただ以前ほど発想が浮かんでこなくなった。意識の停滞。書いて発表すれば、批評会で1年の電ちゃんに「なんか年寄りみたいな文章ですね」と言われる始末で、どこか投げやりな言動しか出てこなくなってしまった。

 周さんや銀さんが顔を出さなくなった折、それに入れ替わるように部室に現れるのが杏さんだった。彼女がこの前後に入退院を繰り返していたことを知るのはずっと後の事であり、2年の冬にあんな風に恋を想っていた杏さん自身には正直どのような興味も沸いてこなかった。どちらかといえば、この時の心境を語りたかったのは嶋さんのほうだったかもしれない。ただ、書いた手紙を封印し続けた高3の1年間に私が彼女に本音を語る機会はついにやってこなかった。




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