残暑もすっかり終わって日差しの心地よくなったその日の放課後もいつものように部室に集まった4人で遊ぶ予定だった。ふとしたきっかけで学校のとなりにあったスーパーへ買出しに行くことに。
確か舞ちゃん情報だったと思うが、先年の湾岸戦争からこっち、原油価格が上昇しているのは周知だったが、あの時の情報はなぜか「戦争の影響でポテトチップが値上がりする」といった根拠の推測もつかない様なものだった。しかしながらそんなことが行動の動機になるのは「若さ」、この一言に尽きる(笑)。
で、買占めに走った(笑)。買い物カゴ3つ位は買っただろう。
4人でスーパーの中を徘徊中にふと私が気の利いたジョークを言った。それがいっちゃん的には萌えたようで「あお先輩 だいすき!」とか満面の笑みで言われたりした。ウケたのが嬉しいというより苦笑いしか浮かばなかったが、当時の私はそれを恋愛の対象外の「好き」にしたかった。今思うと、それは私の無害を試すように聞こえなくもないが(笑)。
で、晴れて部室の角にポテトチップの山が出来上がった。そしてその半分は恐らくタケダの胃に納まったのだった。彼にかかればあんな山は棒倒しの山のように脆いのだ。
そんな日々の光景が私には愉快だった。 周囲は「進学」一色だというのに。
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