あお日記

2002年09月25日(水) _/_/_/ さんきゅー! しし座 _/_/_/ 

 先日、彼女さんの所から電車で帰宅した夜はすっかり晴れていた。聞けば私の地元はその日の午前中に雪が降っていたというのだから、その気候の違いには正直驚く。休日ダイヤと間違えてホームに行ったとき、「ひかり」はまさに音速がごとく目の前を通過...(^^;; おかげで最後に乗る列車は終電になってしまい、帰宅の途が24時近くになってしまったのが幸いだった。

 駅から私の家まで15分ほど歩く。周囲はほとんど街灯がなく、そろそろ水を張る準備中の田んぼにはまらない様に(こう書くと田舎だが、まあ実際田舎である)見上げずにいられない星空を眺める。星の季節はもう春の到来を告げている。この寒さと季節風のおかげで、春の星座をあれほど近くに見たのは初めてか。天空には、ひしゃくを逆さまにした北斗七星と、おとめ座のスピカ、上昇姿勢。そして春の星座たちを統べる雄大なしし座の南中。

 家に着くと今いる私の愛する雑種犬・チップが猛烈に出迎えてくれた。どうも母が仕事からまだ帰っていないらしい。彼女さんに会うと私はかなりの気力を充電して帰宅する。なのでそれから日課の散歩に行くことなど苦ではない。


 空が近いと星の動きが分かるような気がする。
今日記で触れている時期は高3の頃であるが、その後しばらく私は空を見上げなくなってしまった。かといって下を向いていたのでもなく、あえて言えば目をつぶっていたのであろう。

 大人になった現在、それほど情熱を持って星々を眺めることなど出来なくなったのだが、久々に好きなことだけを考えて見上げた空は寒風の暗がりにあってもなお、私に例えようのない幸福を感じさせる。

 田舎には田舎の楽しみ方がある。目をつむらなくても周囲は十分暗いのでまぶたの裏に残っている像が鮮明に浮かぶのだ。

 散歩をしながら映ったその像は、キッチンに並んで立つ彼女さんとその娘さん。あれこれと夕食の準備に追われている。私はそんな彼女たちのうしろ姿を居間のコタツから眺めるのが大好きだ。私の得ることのできたこの恋愛の中でも至極の贅沢を感じる時なのだ。

 小さな彼女さんに会った当初、私は彼女の居場所が羨ましくて嫉妬をしていた。毎日一緒に生活している、そんな当たり前の事実の中に嫉妬心を置いていた。それが変化したのは、小さな彼女さんと2人で映画を見に行ってからだろう。あの時私は初めて自分がこの小さな彼女さんのことも大好きなのだと分かったのだった。そしてこの子がいれば、私と離れていても彼女さんは大丈夫だと思うようになった。


 いささか陳腐な言葉かもしれない。でもぜひしし座に言いたいのだ。


 私は運がいい。こんなに素敵な母娘に出会ったのだ。



フフフン! と鼻を鳴らして、チップとふたりで家路に着いた夜に思ったことでした。




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