直接私に関わる事件ではなかったのですが、私の最も近い友人であるタケダとラザという人間の一面を見ることの出来るエピソードなので書くことにします。 高校生活で最後となる春のクラス対抗演劇発表会を明日に控えた日、この時ばかりは部室に集まっていた面々も自分のクラスの準備でそれどころではない。その準備期間が2週間ほどあり、その間私は部室に顔を出すことがなかったのでタケダやラザが自分のクラスでどんなことをしていたのかなんて何も知らなかった。
で、発表会も終わった後だったと思う。本人が直接打ち明けたので停学はまず本当のことであった。なんでも発表会の前日に陸上部の部室で酒盛りをしており、それをよりにもよって体育教師にみつかって説教を小1時間ほど食らったというものだった。学生の立場で飲酒は厳禁ですよ〜というか学生ごときに酒の楽しみは分からんだろう。それはタバコと同じで不良っぽい自分の演出でしかない。 それはさておき、説教していた体育教師もまた学校の近所の酒場でいっぱいやってきた帰りだったので、今思うと説教できるような身分かオラ! と突っ込みたくもなります。 私はタケダやラザの言い分を聞いていたのですが、どちらにしろ弁護するような気にもならず、かといって昔の道徳人間だった頃のように呆れかえって毛嫌いするようなこともなく、成り行きを見守っていました。 タケダの母は彼を迎えに来た帰りに「お前もこんなことするようになったか」とかいって返って喜んだそうです(笑)。当時の彼は母のことを疎んだ発言が多かったのですが、私にはそれほど悪い母と写りませんでした。 ラザは停学の日に通学してきて部室で自習中の後輩たちとトランプなぞやってるし(笑)。
基本的に、私たちは学校にしか居場所がなかっただけなのだ、と思います。自立していない学生にとって、家族というのは意のままにできない社会そのものでもあり、逃げ場である学校というコミュニティに返って強く依存していく構図が出来あがっていったのかな?
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