あお日記

2002年08月08日(木) 初めてのデート


 3学期ももう終わろうかという3月の中旬、チケットに短い添え書きと自宅の電話番号を記して嶋さんに送りました。自分にとっては計画的でも彼女にとっては唐突な話、しかも3月下旬と1週間もすれば期限の来るようなチケットを見て彼女が何を思ったのか、いまさら想像するのは失礼というものだ。結局のところ、私はいたずらに嶋さんの気持ちを揺さぶってしまったのだ。それでも私は自分の正直な気持ちに背くことはなかった。

 この際使った『正直』という言葉は正確な表現ではない。淡すぎた彼女への恋は、彼女のことを知れば知るほど細かくなっていく。それは裏腹として、嶋さんに強く惹かれてしまうだろう未来を受け入れたい自分と、持っている冷たい体温とが相殺されて無気力を作っていった。杏さんという身近にある体温に惹かれたのは一瞬のことで、私の中で嶋さんに対するほどの真剣さを生み出すことはなかった。

 
 嶋さんの姿形に対して私は何の予測も期待も心配もしてはいなかった。1年以上の文通で私は彼女が人間として信じることが出来る人だと思っていた。お互いの中にある悪意が2人の間で発揮される機会など有り得ないことを私は知っていた。彼女の内面を信頼しきっていた自分は、私自身を彼女から遠ざけることで彼女を守りたかった...のか?

まあどっちにしろ考えすぎで自己中で子供だっただけで、我ながら、後ろから蹴っ飛ばしたい気分です(笑)。


ただ嶋さんに出会ったおかげで、私は「自分の恋愛」に対する感じ方を確立できたんだと思います。自分は恋愛に何を求めているのか、何が欲しかったのか。

今振り返っても嶋さんは私の中で素敵な女性でいてくれるのだ。




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