| 2005年05月20日(金) ■ | ||
| 夏目 ― 貴様は身勝手な男だな ― | ||
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携帯でボチボチやっている京関が思ったよりも危ない話になってどうしよう。 どうして暗い話しか思いつかないんだろうか。京関。 もっとラブラブハッピィにしてあげたいのに関口君が…!(キャラに責任転嫁は良くない) ちょっとこれ書き終わったら馬鹿だなァと思えるほどの京関を書こう。うん書こう。(馬鹿だなァ=中禅寺) でもそんなん書いてるんやったらokp頁どうなってるですかという呟きは軽やかに海へ。(何 今は京関モードらしいんです…。 来週かぁとか思っていたら今届いた。今。22時ピッタリ。 うきうきと目を通すこと一時間(遅)。 うわーうわーうわーセブたん激かわー!!(寧ろ夏目キモ 切ないお話が多いんですけれどもその中でジェが一生懸命セブのこと好きでいて、それでセブは一生懸命ジェのことを思っているのがもうたまらない。 お姉さん鼻血噴き出しそうデスヨ。 自分以外の人間がセブに接触することを嫌うジェ。が好き。 そんな光景を目の当たりに仕様ものなら容赦なくセブをいじめていじめてみじめな姿をさらすんだジェは。でもセブはジェが弱いことをわかって哀れんで愛してるから全部受け止めて真っ直ぐ返すの。 そんなジェとセブの関係が好きなんだけれど中々なくて悶々としていたら理想がここに!!ここに!! 財布痛めてよかったァ。 寧ろ痛くないよ快楽ヨ。 リーはねえセブが好きだけどセブが自分に振り向かないことを知っていて先にある闇と孤独と如何仕様もならない未来を知っているからセブには手を出さないの。でも、やっぱりリーはジェの未来もわかっていて、それでもセブを彼に、セブに彼を任せていたんだと思うの。 友情じゃないよ。 信頼でもない。 ただ自分にはできないことを誰かがやっているのを見たくてそれで安心しようとしたけどできなくて結局全てが終わってはじまったときに戻ってきたのだけれど、やっぱりどうすることもできなかった。 リーはかわいそうじゃ子じゃないんだけど。 ああ馬鹿犬はいつまでも馬鹿犬ですよ。淡い恋心に気付くこともなく親友を信頼しきってパートナーを大事にし続けてでもその深いところにあるものに気付いていたけど気付かないフリをしていて結局最後はやっぱり自分勝手にいなくなる。セブのことを嫌いなんじゃなくて自分の親友が心を奪われパートナーが特別視している彼を憎く思っていたのだけれどやっぱり自分も彼に惹かれている事実に気がつきたくなかっただけ。好きな子をいじめるって小学生と同じ。 素敵だなァキラキラした世界だ。 *************** 明日の自分に負けないように今日の自分に勝てるように昨日の自分に笑われないように一生懸命に生きようって思ったけれどやはり無理だった。そしてそんなことを思った大昔の自分を今は恥じ入ることなく誇ることなくただ懐かしむことすらできないでいる。 毎日毎日怠惰に過ごすことしかできなくてそれでも時間は過ぎて行って確実に自分は生きている。 そろそろその事実に現実感がわかなくなって自分が呼吸をしているのかしていないのか心臓が鳴っているのかいないのかそれさえわからなくなってきた。 ああ僕は今生きているのだろうか。 それとも気付かないうちに死んでしまっているのだろうか。 転がっている骸に気付かず魂だけで行動していたりしたら面白いかもしれない。 この世にそれだけ何がしかの未練があるものかそれともただ間抜けなだけか。けれど幸か不幸かまだ我が身は生きている。 「やあ退屈そうだね」 「貴様もな」 やだなあ私はこれでいて忙しいよと笑う男は何処か胡散臭い。 勝手に家に上がって勝手に座布団を引っ張り出し勝手に座って落ち着いている。 忌々しいほどこの男はこの部屋に馴染んでいる。 決して相容れないものだというのに。 「畳の上に寝転んでいるのは痛くないの。布団を敷けば良いのに」 「貴様には全く関係のない話だ。構うな」 一応心配しているのにと呟くが、男はだからと言って布団を敷くわけでも何をするわけでもない。ただ目に付くことを言ってみただけでそれ以上に興味はないのだ。 それをわかっているから冷たく返す。 有り難うなんて必要ない。配慮に対する感謝なんてこの男は望んでいないのだ。そもそも他人の感情に興味など抱いていないに違いない。 「今日は何しに来た」 「毎日毎日寝て過ごしているという君を心配しに」 「ふん、心配するふりは楽しいか。ご苦労なことだな」 どうやら図星だったようだ。 男は目を見開いてまじまじと家の主の顔を見た。 それから薄く口許に笑みを刻み、胡散臭い顔をする。 「人間性の追及と言ってほしいね」 「今度の研究課題はそれか」 「いいや違うさ。違うけど、たまにはね」 人間らしく振舞って見たいじゃあないかと大仰な手振りで言う。 煩いと眉をしかめると男はおやと笑った。 畳の上で寝転んでどれくらいになるだろうか。少なくとも昨日まではちゃんと布団を敷いてそこの上で寝ていたのだけれど、それにも飽きたのだ。 別段凍死するような季節でもなし、構わないと思ったけれどやはり背中が痛い。 「お茶を淹れても?」 「駄目だと言ってもやるだろう」 「この家には客をもてなす習慣がないようだから」 「貴様を客と思ったことは一度もないということだな」 ひどいねえと薄い笑みを馳せる男はすくりと立ち上がるとやはり慣れた足取りで台所に向かう。 何処に何があるのか男は多分この家の主よりも詳しいだろう。 「君も飲むかい」 「僕の家のお茶を僕をおいて貴様だけが飲むのはどういうわけだ」 「素直にほしいって言えばいいのに」 台所からの遠い声に不機嫌に応えると、面白がるような男の声が返ってきた。この男は表情も口調も何もかもが胡散臭く、ストレートな感情表現の全てが計算された顔だということに一体外の人間のどれほどが気がついているものか。 忌々しいほど鬱陶しい男だ。 「ほら、起きなよ。まさか寝たまま飲むつもりじゃあないでしょう」 「そんな器用な真似ができるなら貴様が見本を見せてみろ」 「私には無理だねえ」 卓の上に湯気の立った湯飲みを置くと、男は家の主のための座布団を引っ張ってきて置いた。 気遣いではない。 話の場を作るために強制的にその席に座らせたかっただけなのだ。 それをわかって主は不機嫌そうに眉根を寄せた。 「冷めるよ」 だから忌々しいと言うのだ。 久しぶりに起き上がって体中の関節がばきばきと鳴った。 裾を押さえて膝を折って男が用意した座布団の上に座る。 「さて随分と前の話だけれど君は果たして覚えているだろうね」 「貴様が忘れていないことを僕が忘れているはずがないだろう」 湯飲みに口をつけて相変わらず男の淹れる茶の味は誰のものより美味だと忌々しく思う。 正座をして背筋を伸ばした主よりも同じ体勢を取っている男のほうが背が高い。上目遣いで男を見なければならないのは何度やっても腹立たしい。 「ならわかるよね」 「遠回しな言い方はよしてもらおう。腹の探り合いはお前の好むところだろうがあいにくと僕は嫌いだ」 「権利剥奪を取り消す書類がほしい」 手にしていた湯飲みを卓の上に置く。 相変わらず男の淹れた茶は誰のものより美味だ。 男は誰にもこの茶を淹れない。 だから知っているのは男自身と、家の主だけだ。 「馬鹿馬鹿しい相談だな」 「頼む、君しかいないんだ」 「はん」 「っつ!」 わざわざ湯飲みを卓の上に置いたというのにまた持ち上げなければならなくなったじゃないか。 男にかけたまだ熱すぎる茶は勿論美味で、少々勿体無いことをしたかと思う。 怠惰に生きる彼にとって無駄は唾棄すべきことなのである。 生きているのか死んでいるのかすらわからなくなって境界線が曖昧極まりないところで辛うじて生きている。 そうして一歩どころか半歩進むだけで彼は容易にその生を捨て死の世界に入り込んでしまう。けれどそれは決して死ぬわけではないのだ。 彼はそのぼんやりとした言い表し難い感覚を楽しんで生きている。 怠惰極まりない彼の生き方は全てが計算され狂うことなく刻まれたプログロムなのである。だから無駄などあってはいけない。 「よくもそんなことをぬけぬけと言える」 「勝手なのは承知だ」 「なら僕が頷くはずもないことだとて承知だろう」 「だから私が頼んでいるんじゃあないか」 「何様のつもりだと言うのだ」 濡れた服をそのままにして男は腰を浮かせる。 家の主は素早くそれに反応し、先に立ち上がった。 男の上背は彼のそれを遥かに超えていたがそれでも立ち上がった彼から流れるその雰囲気に男は圧された。 昔から、男は彼を見下ろし主は男を見上げる構図ができあがっていたけれど、精神世界でのそれは決してなかった。 男は一度としてこの家の主に勝てたことがないのである。 「さっさと帰るんだな。濡れた畳と湯飲みは僕が片付けておいてやる」 「…どうしても駄目なのか」 「貴様が先に言い出したことだろう」 私が勝ったら君をくれるかい、 ふん、なら僕が勝ったらどうする、 私の、私の権利を剥奪してくれ。 そうして男は賭けに負け、家の主はその勝負に勝ち、男の権利を剥奪した。彼が剥奪だと言えばそれは覆ることなく、補うためには再び彼の言が必要だった。 この家の主の言は絶対なのだ。 誰も彼に逆らうことは許されない。 「ではもう一度私と勝負を」 「あんな馬鹿げた勝負は一度切りだと言ったはずだ」 「…私は、私は戻りたいんだ!」 貴様の腕の未熟さを存分に恨むが良い。 家の主は隣の部屋に続く襖を静かに開いた。 豪華絢爛に並ぶ家具類や手の込んだ装飾は息を飲むほどの壮観さだった。 ここは主の守る主の世界に通じている。 「出て行け」 家の主が残忍な笑みを口許に浮かべ、静かにそう口にした途端、自らの淹れた茶で服を塗らしていた男の姿が消えた。 何処へ消えたものか、この家、そして敷地内に男の気配はなかった。 男が望んだ場所には決して戻ることはないけれど。 「馬鹿な男だ」 一言、そう、一言素直に感情を口に出せば良いものを、それをしないがためにいつまでだって苦しむのだ。 いいや、それは僕も同じなのだろうかと家の主は豪華に飾りつけられた外観だけは美しい部屋の境目でそれを見やって苦笑した。 ここは彼がひとりで過ごす彼だけの空間。 彼だけしかいることができない空間。 かつてはそう、もう少しにぎやかだった空間だ。 随分長いことこの地に留まり全てを見通してきた。 すでに自分が生きているのか死んでいるのかすらわからないほど怠惰に生を重ね、そしてついに望んでいてそれは訪れる兆しすら見せず次々と別のものを誘って去って行った。 ぼくはいったいいつまでここにいればいい。 にぎやかだった空間はひとり消えふたり消えそして最後は誰もいなくなった。 男は自ら賭けを申し出てそうして消えていった。 それが男の望みなのだと思っていた。 留まり続けても彼に訪れないものが男には他と平等に訪れる。 だから解放されたいのかと思って勝敗のわかりきっていた勝負に乗ったのだ。そうして彼は、勝負に勝った。けれど、賭けには負けた。 男は戻ってきたいという。 客人として踏み込むことが許されるのはこの間だけ。 ここから先は決して男が入ること敵わない絶対の空間。 彼は自らその空間に入るための権利を、放棄したも同じなのだ。 「僕に勝てるつもりでいたものか」 僕を手に入れることができるものか。 どうせ男は僕を置いてさっさといなくなるくせに。 主は部屋の境に立ち尽くす。 ここが、今男のいる世界と自分がいる世界との境目なのだ。 ここをこえれば決して男が踏み入れること敵わぬ世界に、そうして踏みとどまれば男と同じ世界に我が身を置くことがきでる。 ある意味とても都合の良いこの家の造りに、主は苦笑した。 誰が造ったか知れぬが、随分と嫌味な造りだ。 諦めきれることはなく、そうしてまた、逃げることのできない造りである。残酷すぎるこの家に、主はあとどのくらい住み続ければ良いのだろう。 いっそ気でも狂ってしまえば楽なのだろうか。 訪れることのないものを願って願ってけれど来ることがないことをわかっている。 「ひとりは、退屈だな」 *************** だからなんだってわからんのですが。 なんとなく書いてみたかっただけです。 いやいやすんなりと文章が出てくるって素晴らしい。半脱・スランプ。 はじめはジェとセブを書こうと思ったのだけれど少しばかり性格を反映しつつ全く違う世界観に全く違うお話。 家の主は多分神様に近いものなんじゃあないかなあ。で、それに使えていたのは寿命のある生き物達だったのでしょう。 男はきっと最後の一人だったんだろうかね。 このまま過ごせば男は自分が愛して止まない家の主を残して死んでいってしまうことを嘆いて、勝敗のわかりきっている賭けを申し出たわけです。もしかしたら勝てるかもしれないと焦りに焦っていたのでしょう。 けれど負けてしまって家の中にいる権利を剥奪されたわけです。 男はきっと神界に近い世界から追い出され、人間の暮らしている世界で人間っぽく生活している。 けれど寿命があるのは同じだけれど時間の進み方が若干違う男の体は周囲とは明らかに老い方が違うのです。いつまでも若いままの彼をいぶかしむものも多く、彼は生きる場所を点々とする。 けれど家の主のことを忘れられなくてこのまま彼はひとりであの広大な家の中で永遠の時間を過ごさなければならないのかと哀れに思い、ついに思いつめてあの家まで戻るのだけれど、やはり追い返されてしまいましたとさ。 それでも死ぬまで追いかけることをやめないのでしょうけれど、男はきっと死ぬその瞬間まで素直に“傍にいたい”ということができずに結局家に戻ることなく死んでいくんでしょう。 そうしたら家の主は「愚かな男だ」とか言いながら一筋の涙を流して彼はきっとひとりで静かに生きているのか死んでいるのかわからない時間を漂い続けるんですね。 夏目的にはジェ(男)とセブ(主)はこんな不毛な関係ですねえ。でも勿論幸せになってもらいたいとは思うんですけど、実際にジェはセブを残して死んでしまった身勝手な男ですから。 ではでは。 本日はこれにて失礼。 |