| 2004年07月01日(木) ■ | ||
| だって認めたくない。 | ||
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ワープロ検定の過去問題集を漸く開く気になった夏目。 筆記問題を解きながら、 「うーんパソやってればできるもんばかりだねェ」 とか思って楽々と筆を進めておりました。 なんたって記号問題のオンパレード。 そして、国語力を試す分野に入ったとき。 「づ」「ず」とか、「とおる」「とうる」とか、そんなんですね。 これまた楽勝に問題を突破していき、ページの一番最後の問題。 次の〔〕の中のかなづかいから正しいものを選びなさい。 〔ア.うわ! イ.うは!〕大変なことだ。 …え? …ええ? 「うは! 大変なことだ」 まるで鳥口君のようだ(マイナーネタ その問題で手を止めて悩んじゃいましたよ。 だって、 「うわ!」 でも、 「うは!」 でも文章通るんだもん(笑 ちょっとしてから、 ああ、そうか、「は」って書いて「わ」って読ませるわけね。 って漸く納得しました。 鳥口君が瞬時に頭に浮かび、冷静な判断力を欠いていたようです(阿呆。 うーん、いけないいけない。ギャグに走ったらいけない。 現国の授業中、いつもの通り寝ていたわけですけれども(注:テスト前)、ちょっとした夢を見ていたらしく、頭の中でも教室にいて授業をしているような夢だったと思いますが(うろ覚え… 「夏目さん、夏目さん」 と夢の中で教師に当てられていたのですが。 うん。お気づきですね。 現実でも呼ばれてました。 生徒会室に黒い生き物が出現。 後輩が気がつき、一時室内は騒然。夏目は椅子の上に足を丸めて背もたれに引っ付きながら懸命に出たと思われる方向を見ないように努めていました。 「きゃーそっち行った」 との一言に、早々に部屋から逃げてしまおうと決意。 後輩やら同輩やらが頑張って退治しようとしている中、生徒会長は卑怯にも逃亡決意です。 「先輩、逃げるの卑怯ですよ」 と後輩に引き止められるのも振り切り、 「お昼ご飯買って来るねv」 と、誰が聞いても口実にしかならない台詞を吐いて部屋を出て、自販機でパンを購入。戻る頃には退治しているだろうとか思っていたんだけれど、今だ悲鳴が聞こえる。 しょうがないので退治されるまで廊下で待っていようと思った。 「デカイ!!」 マジで涙目になりました。 夏目、これでいて世界で一番嫌いなものは黒いソレ。類似生物でカブトムシとかクワガタとかも駄目です。 内心ビクビクしている夏目ですが、騒ぐだけの勇気もない。だって悲鳴出してアレがこっちに寄ってきたらとか、変に刺激して動いたらとか思うと…何もできません。取り敢えず、周囲に人がいたからこそ逃げるだけの勇気と行動力がわいたわけで、あのときひとりだったら完全に固まって動けなくなっていたに違いないと断言する。 中の声を聞きながら退治されるのを待っていたわけですが、後輩が二人出てきて、 「こんなんですよ」 とサイズを教えてくれる。 いい。教えなくていい。 怯え具合マックスで無口・無表情になる夏目。 大して考えもせず買ったパンを握り締め、恐る恐る生徒会室の中に顔を覗かせる。 「あ、いた! そっちそっち!!」 …すぐに顔を背けました。 「やった!!」 退治したモノをちりとりにすくい上げている間も決して視線を向けず、結局夏目、一度も生徒会室に出たソレを見ておりません。 その後、出て行く前と同じように椅子の上に体を丸めてパンをもそもそと食べて。あんまり美味しくないです。 「先輩…なんかかわいい」 とか言われても反応できないくらい精神的ショックを受けて、それでも無口・無表情でひたすらパンをもそもそ。 本気でキライ。 悲鳴なんて上げられるならまだ余裕がある状態だって。 人間、本気で恐怖を感じたときは声なんか出ないんだから。夏目にとってものっそい恐怖を与える存在なんだから。幽霊見るより怖いし。金縛りより遭いたくない。 昼休みも終わり、ぞろぞろと生徒会室を出る奴らの後ろから無言の夏目が続く。 「絶対もっといるよね、夏目ン」 「ううん。いない」(きっぱり なんで? と云う顔をされたんですが。 いないのです。絶対にいないのです。 「だって夏目、見てないもん」 視覚していないのだからモノを認識していないのです。だから生徒会室にはいなかったのです。何もいないのです。だからこれからも出ないのです。 「…いるよ?」 「ううん。いないよ」(きっぱり 夏目は何も見ていないのです。そんなモノがいるだなんて認めないのです。だって認識していないもの。 「…夏目ン、現実を直視しようよ」 「だって夏目、見てないもん。だからいないもん」 はい。阿呆ですがナニカ?(ニッコリ でもね、本当にいないのです。 因みに夏目、そのモノが出ても放置しておく人間です。始末しないと増える一方だと云われますが、姿を現さないのなら幾らでも増えてくれて構わないのです。夏目はソレを見たくないし、追っかけ回すなんてしたくないし、触るなんて勿論できるはずもないのです。 なので、恐怖で硬直する夏目と数分対峙した後、アレは自ら何処かへ消えていくのです。たまに何をしたいのか夏目のほうに近づいてくる輩がいるんですが、そう云うときは精一杯の勇気を出してその辺りのものを遠くに投げ飛ばします。すると音に、と云うか空気振動に驚いたアレが勝手に何処かへ逃げ去ってくれるのです。でもしばらく夏目は高いところから動きません。 「いないよ?」 と最後まで言い張りましたのこと。 その後、生徒会室に入る瞬間に少し緊張するものの、いないのだと自分に言い聞かせていつも通りに振舞っております。 「んだから、いないんだってば」 テスト前なので最終下校時間がいつもより断然早い。 そこで、時間の有り余っている夏目達は帰る道すがら、 「グリコ」 をして帰ろうと云うことに。 一年のときか二年の頃か、徒歩でかかって15分の駅までの道のりをグリコで帰ったら、駅まで2時間近くかかったことがありました。そして次の日筋肉痛。阿呆にもほどがあります。 しかし、今度は学習能力がついていた。 「短距離。こっから、あそこまで」 それでもやるのだから阿呆か。 そしてじゃんけんポイっとグリコをやってました。 お前ら本当に高校三年生か。 学校帰り、いつものように途中下車して友人らと遊んでおりました。 「語尾になんかつけて喋ろうよ」 グリコといい、どこからくるのかそのおかしな発想。 それでも面白くってOK。 「夏目ンは“かにゃ”ね。茜は“にょろ”。泉田は関西弁で。みなみは“だぜ”」 会話しながら大爆笑ですよ。 特に、“だぜ”。 「なんで笑うンだぜ。みんなも喋るんだぜ」 笑わいでか。 笑いすぎて夏目、ほとんど喋れませんでした…腹筋痛いッス。 皆様是非一度お試しあれ(やんねェよ 強調しますが、夏目達これでいて高校三年生の受験期。茜なんて18歳です。 うーん説得力ないなァ…。 泉田と別れ、ゲーセンに寄って(みなみが)大量に獲物をゲットして、その後、ココアのお店で茜と別れてみなみとのんびりとしていたのですけれど。 今週末のイベントで売るラミカ作りをはじめるみなみの向かい側で、夏目はせっせと悪戯書き。 何故かエロ画。しかも泉田モデル。 みなみにお題を出されて書き続ける内に、 「ゴメン泉田…」 と思わず謝りたくなったりして…。 そして八時過ぎた頃、メールが。 「ママンから?」 とみなみに聞かれ、電話嫌いで放任主義の母から帰りが遅いとメールが来ることはめったにない。十時過ぎても連絡入れない限り。そのときでさえメールでくるんだけれど。 「…うん、母からだ」 「早く帰って来いって?」 確かに普通の親ならばこの時間にメールをくれるのならばそんな内容だろう。 しかし、夏目の家には明確な門限がナイ。終バスで帰ってくればいいよくらい。 「ううん。ご飯外で食べて来いって」 ヲイ。ママン。 「“夕飯外でなんか食べてくる?”だってさ」 つまりは、遠回しに“作る気ないからなんか食べてきなよ”ってコトです。 「なんじゃそりゃ」 とみなみも苦笑。 まァ確かにその前にたらふく食べたから家に帰ってから夕飯はいらないなァとか思っていたのは確かだけれど。だから…ね、丁度よかったですよ。 そして一時間くらいココアのお店でだべって帰途につきましたとさ。 遊んで帰って家のポストを覗くと一枚のチラシ。 他のは母が取ったのかなァとそれを手にして中を広げて見てみると。 「夏期講習」 塾の宣伝でした。 この時期めずらしくもないし、受験生の夏目の家にはしょっちゅうその手のチラシやら電話やらがかかってくる。 「ふぅん」 とか思いながら暇潰しに読んでみると、まァお決まりの台詞やら日程、費用など諸々書いてありまして、最後のほうにコースが書かれておりました。 「小学校低学年コース」 「小学校高学年コース」 「小学生中学受験特別コース」 「中学生1,2年コース」 「中学生高校受験特別コース」 …アレ? そして一番最後のでかでかとした文字。 「我が塾は、小中学生を育成するプロフェッショナル揃いです!! 安心してお任せ下さい!!」 えーと…夏目、これでいて一応高校三年生なんですけど? 大学受験ですね、今度。 小中学生を育成するプロフェッショナル揃っててもあんまり意味ないんですけど。それともなんですか。頭の中中学一年生レベルだってことばれてます? ご近所で有名なお話になっちゃってますか? ものっそいこの塾に問い合わせしたくなりました(ヤメロ ではでは。 本日はコレにて失礼。 いやァ毎日退屈で平穏で、極々ありふれた日々を送っています夏目。 |