代筆6 〜逃亡の理由〜 - 2002年09月17日(火) 柚子のことを考えると、胸が締め付けられるように苦しくなる。仕事も何もかも 投げ出して、会って抱きしめたいという感情だけに従ってしまいたくなる。この 気持ちの通りに行動してしまうことが、将来まで考えたときによくないことなの はよく分かっているつもりだ。だから、他のことに自分の目をそらすことで、何 とか気持ちの均衡を保っている。 どうしてこんなに柚子のことが好きなのだろう。パソコンで柚子が笑っている写 真を見ると、画面に手を伸ばしている自分がいる。頬を撫で、髪に触れ、唇の感 触を確かめようとする。手のひらや指先に感覚が蘇る。愛してると呟く。涙が流 れる。馬鹿げている。でも、どうしようもない。 好きな人を好きだという感情から逃げなければならないのはなぜなのか?世界中 に叫びたい。柚子が好きだと。邪魔する奴は殺したっていい。柚子が俺を信じて 俺の腕の中にいるのなら、他に何もいらない。そう思っているのに、その感情を 握りつぶさなければならないのはなぜなのか? 明日、柚子は帰ってくる。帰国を知らせるメールが待ち遠しい。早く声が聞きた い。せめて声だけでも、リアルな何かが欲しい。 [今日のリコメンド] ・『METABOLISM』SING LIKE TALKING これまでのアルバムとはかなり違う感じにできあがっていると思うのですが、私 だけなのでしょうか。ずいぶん前に買って、聴いていなかったのですが、一度聴 いてみると離れられなくなりました。彼らの歌詞に支えられたことは何度もあっ て、今回もまたお世話になっています。 -
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