代筆5 〜こんな一日〜 - 2002年09月16日(月) イヤな夢を見て、起きたら昼を過ぎていた。遅くまで起きていたわけではないか ら、ずいぶん眠ったはずなのに、気分がさえない。風呂にのんびりと浸かって、 伸びていたひげを剃ってみた。鏡を見ても、目の前にあるのが自分の顔なのかど うかあまりよく分からない。着替えて、会社に行った。休日だが、私の職場は今 日は出勤日のようなものとなっていた。二日も会社に来ないとメールが溜まって いる。何も考えずに、返信し、転送し、印刷し、削除する。今日やらなければな らない仕事に取りかかる。意識は死んだままで、指だけが淡々とキーボードを叩 き、トラックボールを転がす。出た結果を打ち込み、印刷して穴をあけてファイ リングする。隣の席から質問を受け、いつもより百万倍くらい優しく答える。ま るで何年も同じマニュアルで教えてきたので中身をすっかり覚えてしまったイン ストラクターみたいだと、どこから遠くから自分を見ている自分が思っている。 丁寧に紙に作業手順を書き、一人でも仕事ができるように育てる。14歳も年上 を相手に。これも私の仕事。残念ながら、この職場に彼が来て一年ちょっと経つ けれども、一年ちょっとこの仕事をしたとは全く思えないくらい、進歩が見えな い。なぜ彼がこの職場に来たのか、なぜ彼を育てるのが私なのか、理解ができな い。理解する必要なんてないのかもしれない。とりあえず意識が死んでいるので 余計なことは考えない。周りの同僚に声をかけるのが急に鬱陶しくなってきて、 黙って鞄をつかんで職場を後にした。ビデオをレンタルしてから寮に帰ってきて、 食堂で飯を食い、部屋に戻ってパソコンのメンテナンスを始めた。最近、調子が 悪い。借りた映画は『キス・オブ・ザ・ドラゴン』。どうでもいいストーリーだ ったが、ジェット・リーのアクションは笑ってしまうくらい気持ちよい。3回も 見てしまった。画面を見ながら笑顔を浮かべている自分に気づいた。今日、職場 で笑顔を浮かべたかどうか、思い出そうとしても思い出せない。 気が付くといつもの倍以上のペースで煙草を吸っていた。何がイヤだというわけ ではないのだけれども、何もかもがイヤだ。そういう日もある。 明日も今日みたいな一日なのだろうか。眠って起きたら、違う一日であることを 祈りたい。 [今日のリコメンド] ・『VERSUS』 邦画は基本的に見ないのですが、今日借りたビデオに予告編が入っていて、見たく なりました。今度借りてみます。 -
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