僕らの日常
 mirin



  おんなじこ@琥珀

そいつはたいせつにおんなの人にギュッってされてた。

黒いごっつい布をからだゼンブぐるぐるに巻かれて
あんなんしたら、苦しいん違うかな?
黒い布から、はみ出した手が赤くも黒くもあってただ痛そう。

泣いているおんなの人がセンセェらに手を引かれて
廊下の椅子に座らされてる。その傍に二人男の子もいよる。


廊下で立ちん棒になってたおれにセンセェがすごく慌てて
飛んできた。部屋に入りなさい、そう、おれの手を引いた。

「怪我しよった?」

汗が流れるセンセェが何とも言えない顔で笑って、
おれに『だいじょうぶだよ』そう言う。
おれぢゃなくて、あのおんなの人にゆうた方がいいのと
ちがうのかな。

「あの子は、大丈夫だよ」
「……うん、」

何かよくわからんまま、おれは小さく頷いてセンセェを
じぃっと見上げた。

おれは、ふとあの赤いけど黒くもなってた手を
思い出して自分の腕に目をやった。

何でなったんかは、知らん。
ずぅっとある小さい黒いシミがそこにはある。

2006年11月06日(月)
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