風鈴仏桑華は四谷怪談のイメージ - 2004年05月20日(木) 台風が来ているというのに、今日はなんとしても着物で出掛ける日。 世田谷パブリックシアターまで、花組芝居の「いろは四谷怪談」を見に行くから。 思い起こせばあれはNYにいる頃・・・。 絶対に気に入る芝居だ・・・と太鼓判まで押してくれた友人。 花組芝居っていうの? ふぅん・・・ってな素っ気ない返事をしていたと思う。 初めて花組芝居を見たのは「夜叉ケ池」。 しかもその時だって、花組芝居っていうより 岡本健一を見に行くのが第一目的だったという、今考えて見れば、情けないわ。 この時に、すっかり魅せられてしまい、その後、母を引き連れて「シャンソマニア」へ。 花組芝居の座長であり、脚本、演出、俳優もしちゃう加納幸和氏の 「加納ワールド」 は一度はまるとぬけられないのだった。 そんなわけで、 '94年を最後に20世紀中は封印をする、 と加納氏が宣言をした花組芝居の代表的作品、 「いろは四谷怪談」が、10年ぶりに演出も新たに上演されるのだ。 花組芝居側の意気込みに合わせて、やっぱり私も気合いを入れて見に行かなくては。 四谷怪談のイメージって・・・? なんだか、この作品は 忠臣蔵の討ち入りも交ざっているって・・・? そこで、こんなふうな着物にすることに決定。 母の友達からいただいた、単衣のお召し。 この柄はなんでしょうね・・・。椿のモチーフかしら。 かなり以前にいただいたものだけれど、この日、初めて袖を通す。 おもしろい着物だなぁ、とは思っていたけれど、 私には身幅がけっこう大きいこともあって、そのまま箪笥の中だった。 四谷怪談だしなぁ・・・と思っていた時に、 あ、あれだ! とピンときたのである。 帯はバラ柄の半幅帯。かわの屋さんで購入。 12000円ぐらいだった。 もともと羽織だったものを仕立て替えしたらしい。 ものすごくやわらかい帯芯なので、ギュっと結ぶのには力いらずでいいのだが、1日締めた後は、 やはりちょっとへたってしまう。 変わり文庫結びにして。 単衣の着物ということで、半えりを絽縮緬にしてある。 帯揚げの色は、絶対に赤だ・・・と思ったのだけれど、 単衣からうすもの仕様の赤の帯揚げは持っていない。 帯揚げだけ、素材感の違うものにするのはなぁ、と思い、 手持ちの中から帯の柄の色に近いものを選んだ。 帯揚げはしっかりだしちゃうのが好きなんだけど、 今日は色のバランスで、ちらっと、すっとだけ・・・。 足下は雨の日仕様の 撫松庵の黒のタビックス。 (きもの友達、ようちゃんからのプレゼント♪) 劇場にて、ついつい 花組芝居グッズ を買ってしまう。 パンフレットの表紙のイラストは、 岡田嘉夫氏による 風鈴仏桑華 という花。 これは、四谷怪談のイメージの花なのだそうだ。 舞台の天井からは、巨大な風鈴仏桑華が3つ吊されていた。 舞台を包む色は黒、風鈴仏桑華の奇妙な形と毒々しい赤、 市松状に並べられた薄くシルバーに光る布。 そして私の今日のコーディネートは、この色とぴったりだった。 もちろん、作品だって、加納さんだって、花組の役者連だって 素晴らしかったんだけど、そんなことがすごく嬉しくて、 ついつい 加納氏デザインのコスチュームのポストカードまで購入。 あ、花組芝居のてぬぐいも買ったんだった・・・。 もう一度みたいなぁ、と思うも、23日が楽日なのでちょっと無理。 次回作品は、10月の「和宮様御留」。 これは 有吉佐和子没後20年記念なんだそう。 あー、10月が待ち遠しい。 袷の季節になる頃だし、また気合いを入れて着物選びをすることにしよう。 -
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