萬斎月間の始まり - 2003年04月06日(日) 本日は、今年6月〜7月にかけて上演される、 野村萬斎主演のハムレットのプレイベントを見に行く。 今回のハムレットは、新訳で行うということで、その訳を担当する河合祥一郎と、 クローディアス役の吉田銅太郎をゲストに、日本におけるハムレットの上演を、 日本語訳を視点に振り返ろうという催し物だ。 舞台上の野村萬斎を見るのは、昨年6月の蜷川演出によるオイディプス王以来であるが、 もうかなり楽しみ。これは世田谷パブリックシアターにて1日のみのイベントであるため、 チケットは抽選販売だった。当たってよかった。 今日は、我が母も行きたいというため、着物を着ていくならつれて行ってあげる、ということにした。 私より先に着物、きもの、キモノとさわいでいながら、この3年ほどの間に誂えた着物には、 実はまだ一度も袖を通していないのである。私は別のものを勧めたのだけれど、 濃紺の松阪木綿に赤いウールの羽織を着る、と頑固に主張するので、 それに合わせて、三尺帯を貸してあげることにした。 ま、私もよく借りるからそこは仕方がない。 去年の6月にオイディプス王を見た時は、 野村萬斎っていいよね、とは思っていたものの、 あれやこれや見たい、と思うほどではなかった。 今年の初めに、何の番組かは忘れたがテレビで彼のインタビューをやっていた。 それを見てから、かなり気になる役者になってしまった。 自分はあくまでも狂言師であるが、古典芸能と現代演劇のバイリンガルでいたい、 という言葉に表されるように、彼は自分の根底をなすアイデンティティの上に、 更なる層を積みかさねていこうと挑戦を繰り返す。 その姿勢、その理想、そして演者としての思想性になんだかすごく嬉しくなってしまった。 ・・・なんていうと大げさかな。 なんのことはない、野村萬斎がイギリス留学中に、 やられた〜、と驚かされたという芝居を私もNYで見ていたということ。 そして、その芝居は私にとっても、今まで見た中で一番素晴らしく、 鳥肌がたつ思いをしたものだったということ。この共通点だけで、嬉しくなっちゃったんだけどね。 それはサイモン・マクバーニー率いる、イギリスのテアトル・デ・コンプリシテ。 作品は、Three lives of Lucy Cabrolである。 野田秀樹がワークショップに参加したことでも有名な劇団だよね。 で、本日も着物で。 吉野格子の紬に合わせた帯は、 母が駅前のショッピングセンターにある古着屋で見つけてきたもの。 ものすごく安かったんだけど(ってユニクロのシャツより安いかも・・・)、 かなり状態がいい。古典柄なんだよね。雲とか、鶴とか、大きな椿とか、 なんだか盛りだくさんの柄だ。この着物に絶対合う思い、試してみたかったのだ。 お太鼓です。 ちょっと写真が斜めなのは、母がとったから。 いやぁ、この帯、昔のだけあって短い。 昔の人は本当に小さくて細かったのね・・・。 少し工夫をしないと、帯締めがしっかり帯にかぶらない。 動いているうちにちょっとはゆるんだりするので、気をつけてないと、 お太鼓がざざっと落ちてしまいそう。次回はもう少し頭を使って締めよう。 母の着付けに時間がかかり、危うく遅刻するところだった。 白いシャツに黒いパンツ、黒のバレエシューズの萬斎氏はとっても素敵♪ 彼が24歳の時に演じたハムレットのテープを聞くことができて、 なんともラッキー。 訳者の河合祥一郎氏は、演劇史研究が専門の東大の先生。 そのせいか、1階席のどまん中は、どうやら東大の先生方のご様子。 うーーん、ああいう席はファンのためにとっておいてよね。 だって、抽選なんだから。 (知ってる顔がいたために、余計そう思ったのだけれど・・・) しかし、日本語に最初に訳されたハムレットのセリフでは、あの To be or not to be. That is the question. が、なんと アリマスカ、アリマセンカ、ソレハナンデスカ と訳されていたということはこの上ない衝撃だった(笑)。 すごすぎる・・・。 さて、今日から7月までは萬斎月間。ふふふ♪ 明日は夜桜能なのよーーん♪ -
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