パンドラの箱
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繋いだ手をどこまでしっかりと握っていられるか。 正直自信がない。 だって、進む先は深い深い穴の中。暗い暗い闇の中。 見えるはずのないものが見え、聞こえるはずのない声が聞こえる。
「しっかりと握って。決して離さないで」
あなたの言葉に、差し出された手を必死に握り返すけれど。 そんな言葉よりもなによりも、暗闇の恐怖に支配された私は、目を閉じ、耳をふさがずにはいられない、その恐怖に耐えられず、繋いだその手を離して、立ち止まり、目を閉じ、耳をふさぎ、あなたを見失う。
その先にほんの少しでも光が見えたなら、私は迷わずあなたにしがみつき、決してその手を離すことはないのに。
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