にっき日和
おしながき|前よむ|次よむ
「ただいま」
帰宅して居間に顔を見せると、
今日も、いつもの座椅子に父が座っております。
おかえりと、穏やかにわたしを迎える父。
帰宅して父の顔を見ると、心底ほっとするのです。
ああ、今日も元気でいてくれたって。
ここ一週間、父の病のことが頭を離れません。
両親がいて、兄弟がいて、家があって。
そして今日も、家族で食卓を囲む。
そんな当たり前の日常が、
実はかけがえのない時間だったということが、
ここ一週間で思い知らされました。
家族がそろって過ごせる時間は、”限りあるもの”だということ。
そんな当たり前の現実に、
いまさらながら気づかされたのです。
なぜ、人は老いるのでしょう。
なぜ、人は死に逝くのでしょう。
もし神様が、願いを聞き届けてくれるなら、
ささやかで愚かな、わたしの願いを叶えて欲しい。
大切な家族と過ごす、この穏やかな時間が、
どうかどうか、永遠に続きますように・・・・と。
今この瞬間にも、
砂時計は止まることがないのだけれど。
ぴょん
|