Spilt Pieces
2011年09月26日(月)  MonCafe
輪番での不定休も今日で終わり。
夫を送り出し、午前中のうちに家事を済ませようと思っていたはずが、気づくと爆睡してしまって時計は午後をさしていた。
若干自己嫌悪しつつ、早くも季節外れとなってしまった素麺を茹でた。


ぼんやりとテレビを見ていても、何だかストレスが溜まる。
音を消すと、雨で濡れた路面を弾いていく車の音と、向かいのアパート前を塵取りと箒で掃除しているおじさんの立てる金属音が響く。
風が冷んやり心地よい。
人工音ばかりだが、ザワザワとしたやたら賑やかな人の声より大分落ち着く。
冷蔵庫の製氷機が動いた。
そろそろ水を抜く時期だろうか。


コーヒーを飲みたくなった。
まだ何もしていないのに、自分を甘やかすことにばかり長けている。
いつものインスタントより少しリッチに、以前義母からお中元のお裾分けにともらったモンカフェを開ける。


ああ懐かしいなあ、と思った。
普段忘れていることを思い出させてくれるのは、記憶より写真より香りなのかもしれないと思うほど、懐かしかった。
昔勤めていた事務所の所長が好んで飲んでいた。
当時モンカフェを飲んだことがなくて、入れ方が分からないと言ったら、散々馬鹿にされた。
仕事の合間にいちいちドリップするのが面倒くさいと思っていたものだが、手際よくカップにセットできるようになったことも含めて、何だか今だと楽しく思えるから不思議だ。


嫌なことも、たくさんあった。
むしろ職場というものについて、今までいい場所だと思ったことなど一度もない。
それでも、時間が経つと穏やかな気分で懐かしさを覚えるのはなぜなんだろう。
今抱えている色んなことも、いつかはそういう「思い出」の対象になるんだろうか。


焦らなくていい、と、夫によく言われる。
納得したり、でも、と反論したくなったり。


外を眺める。
私は、現実を生きたり、空想に逃げたりしながら、今日も時間を浪費している。
そして過ごしている。


今日の夕飯、どうしよう。
久々のコーヒーは、ただ純粋に、いつものコーヒーより大分おいしかった。
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