Spilt Pieces
2010年06月11日(金)  価値観
最近周りの友人たちが次々と結婚している。
会話の内容が少しずつ変わってきた。
夫のことに始まり、妊娠、義父母、家事、給料…etc
女は強くなる、と、誰かが言っていた。
もっともだ。


夫に、結婚して得たものはあるかと尋ねた。
すると、穏やかな時間と家に帰る楽しさ、
温かいご飯のある暮らし、だと言った。
失ったものはと尋ねると、特にない、とのこと。
彼は元々散財する性格でもないので、
自由を失ったとは感じていないらしい。
「結婚したらお金が貯まってきた」などと言う。
遠距離恋愛の頃にかかった交通費やデート代が
今はかからなくなった…ということだろうか。


さとは?と、続けて尋ねられた。
残念ながら、彼が言ってくれたような、
相手を喜ばせられる言葉は言えそうにない。
「幸せも得たけれど、たくさん失ったよ」
そう言うと、
「それは当然だよね…来てくれてありがとう」
と、ぎゅうと抱きしめられた。


ここまで書くとただののろけだが。
そんな彼に対してでさえ、多少の不満はある。
こちらが話すときも、相談をするときも、
返事は決まって相槌。
相談しているときには意見を言ってと言わない限り、
基本的に自分から考えを口にすることはない。
些細なことならまだしも、将来のことやお互いの家のことなど
真剣に話しているときに生返事では段々と苛々してきてしまう。
「何でも全部はいと返事することが思いやりだと思ったら
大間違いだよ。二人の問題なんだから二人で会話をしたいのに」
そう言って、落ち込むこともしょっちゅうある。
「ごめんごめん、えーと…何て言ったらいいのかな…」
文章を書くことも、喋ることも、
全体的にみんな苦手だと話す彼。
業を煮やして私が先に口を開いてまとめてしまう失敗もする。
難しい、と思う。


既婚者仲間の友人たちと話をするとき。
私が夫を「悪者」にするのは、大概上記のような内容。
なぜなら、
友人たちが夫を愛しながらも溜まる不満をぶちまけるとき、
聞くに徹するばかりではなかなか難しいから。
「いいな、さとのところはうまくいっていて。私のだんなは…」
という言葉をフォローするため、と言えば具体的か。
実際不満に思っているから、決して合わせる為だけに
夫の悪口を言っているつもりもないのだが。


夫は笑う。
「本気でひどいことさえ言わなければ、どうぞどうぞ悪者に(笑)
自分の奥さんがあんまりKYでも困るからね〜。
いつも俺が文句言われていることでしょ?平気だよ」
そのおおらかさが、嬉しいような悲しいような。
自覚をしているのならぜひ改善の方向へ、と思うのだが、
それとこれとは話が別のようで。
それはさておき。


最近聞いた友人たちの愚痴の中で、
「えげつない話かもしれないけど」と遠慮がちに切り出しつつも
みんなが本気で怒っていたり困っているのは、お金のこと。
うーん…結婚するまでなかなか分からない面だからなおのことか。


飲み会に行き過ぎる、家に生活費は入れるが残りを全部使ってしまう、
妻に渡すようにともらった姑からのお金を勝手に使い込む、
家計簿を見せて財政の健全化を一緒に考えようと提案すると
「そんな話は俺は考えたくない、安月給だと言いたいのか」と、
現実的な対策を考えることなく逆切れして逃げ出す…。


友人たちは決まって言う。
「あほだけど好きなんだよね」


価値観って様々。



記入:2010年6月18日(金)
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