Spilt Pieces
2008年03月27日(木)  理解
どれほど言葉を尽くせば、あなたに伝わるのだろう。
話せば話すほど、心が痛くなる。


先日ぼんやりと読んでいた新聞に載っていた誰かのこと。
「理解の程度を理由に別れるのはおかしい」と。
人は、付き合うほどに違う面が出てきて、
分からないところが出てきて、
それを不満に思って離れてしまう人のなんと多いことか、
本当はそれこそが人間の深さであるのに…
…解釈が合っているかどうかは自信がないが。
そんな意味で捉えた。


なるほどと思った。
確かに、全く同じ部分ばかりの相手には惹かれない。
それは、家族友人恋人問わず。
多様性を目の当たりにする度、
足元がおぼつかないほどの孤独を感じ、不安を感じ、
同時にほっとする。
一人ぼっちだと泣きたくなりながら。
自分が自分であることに驚嘆しながら。


それでも…
私の精神性がまだまだ未熟であるがゆえにだろうが、
愛する人には、
できうる限りの理解を求めたくなる。
分かってほしくなるし、分かりたくなる。知りたくなる。
「他人である」という前提を忘れてしまいそうだ。
だから多くを求めすぎてしまうし、
だからすれ違ってしまうし、
だから偏狭な考えしか持てなくなってしまう。
分かっているのに。
きっと、要は、私が、
孤独であることと一人で立つことの意味を
勘違いしているせいだろう。


「どうして分かってくれないの」
愚問だと思いながら、ぶつけてしまった。
後ろに引き下がる勇気もなかった。
なんて弱々しい。
自分が言われたら嫌がるのに。
きっと全力で逃げるのに。


話せば話すほど、心が痛くなる。


理由は分かっているはずだ。
分かっているはずだろう?
心を理解するより、言葉が先行してしまうから。
ロジックにはまってしまう。
下手に言葉を使うから。
底にある本当の感情を、
また見失ってしまう。


それでも、
そうと分かっていても、
私は薄っぺらい人間なのだろう。
言葉など何の意味もない…
とまでは言わないまでも、
そんなには意味がないと、知っていながら、
それでも、目に見える証拠がほしくなる。
分かり合えているのだと。
打って、それが返ってくる日が来てほしいと。
高望みを押し付けている。
自分の主張ばかり。
ああ嫌だ。
ああ怖い、
エゴイスト。


それでも、自己弁護をしたくなるほどに、
分かってもらえないことがこんなにも悲しくなるほど、
足りないと思うくらいなら切り捨てたくなるほど、
必要なのだと言ったらそれは、
大きな存在なのだと言ったらそれは、
やっぱり身勝手…なんだろうか。
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