Spilt Pieces
2003年04月22日(火)  山
今日、近くの山に行った。
理由は特にない。
大学の事務に用事があったのだが、家を早く出すぎてしまい昼休みの時間に着きそうだったため、ただ緩慢とした時間を構内で過ごすよりは、春の山で過ごした方が楽しいかと思った。
ただそれだけのこと。


突然進路を変えて山に行くということを私はしばしばするので、あまり抵抗感もなく進む。
ぼんやりと旧家の瓦の屋根を眺めながら運転していたら、いつの間にかいつも通る道を通り越してしまった。
私は来た道を戻るということが嫌いだ。
時間がないときならいざ知らず、何となく時間を潰そうとしているときに道を間違えたからといって戻るほどつまらないことはない。
せっかくなら、別の風景を見たいと思う。
結局、見知らぬ道をしばらく走った。


山の麓に至るまで、初めての田舎道を進む。
地図も見ずにふらりと気の向くままに進んでいると、目的地へたどり着いた。
たまに、戻らなかったがゆえに平気で100キロほど迷ってしまう私。
今日は幸運だったらしい。


いつも、何かのついでや寄り道がてらに山へと向かうせいか、格好がどうにも似合わない。
周りには、登山服姿の老夫婦が多い。
ジーンズに春物のシャツ、トートバックにヘッドホン。
そういえば数ヶ月前にも同じことをやった気がする。
またしても妙に浮いてしまった。


もう散ってしまった梅林の方へと足を向ける。
葉桜が少し残っていて、春の日差しの中をはらはらと舞う。
梅の姿はさすがに見えるはずもない。
昼間だというのにほんのりとした暗がりが行く手を塞ぎ、ヒヤリとした空気が待ち構えていたもので、また今度と言って引き返してしまった。
以前別の山へ行ったとき、女の山道1人歩きは危ないと、カキ氷屋のおじちゃんに忠告を受けたことを思い出したためだった。
来年、梅の花が咲く頃にまた訪れようと思いつつ。


山の上を、雲が流れていく。
ただそれだけのことなのに、その場にいられる自分を喜ぶ私はやはり能天気なのかもしれない。
遠くから見るのもいいけれど、山はそばで空気を吸いながら眺める方がいい。
こういう気持ちを共有してくれる人がいたらどれほど幸せだろう。
大学を卒業したら、友人たちも私も、それぞれ忙しくなってしまうに違いないだろうけれど、その前の今度また晴れた日に、誰かを誘って来てみようかなと思った。
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