Spilt Pieces
2003年03月21日(金)  骨
死んだら、肉が削げて骨だけになる。
今の時代、そこからでも多くのことが分かるというけれど、でも見た目はほとんど変わらない。
どんなに綺麗だった人の骨も、精一杯生きた人の骨も、みんな一緒。
平等だと、言えるのかもしれない。


体型も顔も、結局はその骨につけられた形の違いにすぎない。
脳を、骨の中に想像する。
それはあまりにも小さくて、弱い。
ささやかな自分。
あと百年も経たないうちに、今まで存在した多くの骨と変わらぬ自分になる。


記憶の中だけで留める自信がないからか、人は、愛した人の面影を色々なものに見出そうとする。
それは、写真であったり使っていた物であったり。
本人であるはずの骨の形から個人を識別するのは、無理なのかもしれない。
想うのは、実際にある骨ではなくて、もうなくなってしまった肉のついた体だ。


戦争は、嫌いだ。
私は幸い経験したことがないけれど、多くの感覚を麻痺させるに違いないと思うから。
骨になってしまえばどれでも同じ。
でも骨になる前は、みな意思があってそれぞれの人生を生きている。
それが幸せか不幸か、他の誰にも決められない。
終えてみるまで、その人生の価値など誰にも分からない。
それを無差別に断ち切ってしまうもの。


戦争の爆音が届かぬ地で、のうのうと約束されたかのような明日を迎える。
獲得しなくても明日は来る。
不景気だからといって、命までは取られはしない。
今の私。
力のない自分。
「自分が何をしようとしまいと、何も変わらない」
そんな無力感が自分ばかりか世の中を覆い尽くしている。
それが悲しい。
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