Spilt Pieces
2002年12月17日(火)  日々
いつも通る道に家があった。
それは、前から知っていたこと。
だがそこに人が住んでいるということに気がつかなかった。
一体何軒の家があって、何人の人が住んでいるのだろう。
集合体として多くのものを見るとき、風景の一部として見てしまうとき、私はしばしばそこに生きる人たちというのを忘れる。
人を、個人として見ない方が楽だし、実際問題そうしないと自分の容量を超えてしまう。
ただ、私は多くのものを統計的に片付ける世の中など好きじゃない。
だから、いつの間にかそういう見方をしてしまう自分を反省もする。
人の息づかいが聞こえない街が増えれば増えるほど、悲しいことも増えていくのではないかと思う。
時に、小さな家に生きる見知らぬ人々に、思いを馳せて考えてみてもよいのではないかと。
きっとそれは、いつまでたっても想像の域を出はしないのだろうけれど。
現実だけのために生活しているわけじゃない。
そう言って、空想から現実を見つめようとする私は時折ひどく矛盾しているのかもしれないが。
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