Spilt Pieces
2002年12月14日(土)  湯葉
鍋をつつきながらその日の出来事などを話し、賑やかな時を過ごす。
楽しいことである。
しかし、たまにはじっと待っている時間というのもまたよい。


豆乳を入れた鍋を、箸を片手に見守る。
しばらく他愛もないおしゃべりを繰り返していたかと思うと、いつの間にか黙りこくって鍋を見つめてしまっている。
だんだんと顔が鍋に近づいていって、口から漏れる微かな息でカセットコンロの炎が揺れる。
ふと周りの皆の顔が近いことに気がつき笑う。
心地よい時間。
次の日の予定を考えたり、将来のことを考えたり、時間に追われて過ぎていく日々。
時間を気にせぬ鍋は、少しの退屈と多くの楽しみを含んでいる。
湯葉を囲みながら、箸を口にくわえながら。
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