Spilt Pieces
2002年09月23日(月)  学歴社会
学歴社会はよくないと言う人たちは多くいるが、そんな人に限って学歴が高かったりする。
下の世代には学歴社会をストップしろと言いながら、自分の学歴に誇りを持っていたりする。
本当に興味がない人は、そもそもあまり学歴の話などしない。
どうでもいいからだ。
たまに触れても、社交辞令としての褒め言葉を言う程度だろう。


私は、今日一緒に遊んだ人を尊敬している。
彼女は、学歴など気にしていない人だ。
私より一つ上というだけの違いしかないのに、浴衣を縫えて着付けもでき、ケーキ類を作るのも得意で髪を切ることもできる。
向上心旺盛で、今はイタリア語の検定を受けるのに勉強している。
いつか自分の経営する飲食店を開きたい、イタリアに勉強しに行きたい、とのことだ。


人付き合いもうまい。
人を見る目もあって、様々な状況に対応するのが得意だ。
今日一緒にいて、その行動力と世渡りのうまさに驚いた。
その人はかわいいので、ゲームセンターへ行ったらほんの数十分の間に二回もナンパされた。
そういう経験がなくておどおどしていた私を守るかのように、しっかりとした口調でうまくかわしてくれた。
「大丈夫だよ、私にまかせておいて」
とても優しく、機転もきく。
頭もいい。


「私は馬鹿高校出身なんだよね」
そう言って笑った。
だけど高校は楽しかったと。
「本当は勉強嫌いでやらなかっただけでしょう?」
うん、まあそうだねぇ、と言って笑った。
馬鹿どころかすごく頭がいいし、考え方もしっかりしていると、話していて伝わってくる。


学歴社会って、ひょっとしたら学歴を持っている人たちの妄想の上に成り立っているのかもしれないな、とさえ思う。
だって、そんなのを気にする人って、学歴を持っている人の方が多いから。
馬鹿だよね、そういうものにしがみつかなければいられないのって。
他にアピールする部分はないのだろうか。
別に、それ以外にも言える部分がたくさんあれば、そんなの気にしたり考えたりする余地などないはずなのに。
今日一緒にいた人は、自分に誇れる部分がたくさんある。
だから、すごく輝いているし魅力的。


私もそういう人になろう。
人を責めるのは簡単だけど、私も、学歴以外に言えるもののない人間のような気がする。
目指すものは、いつだって高くありたい。
そういう意味で、いつだって、私は欲求不満でありたいと思う。








今日は、ガイドブックで見た餃子のキーホルダーが欲しいと言って、二人で突然宇都宮に行った。
おいしい餃子を食べ、ショッピングをして、たくさんしゃべって今までよりたくさんお互いを知った。
そしてその人に対して、前よりさらに尊敬の念を深めた。
いい出会いに恵まれているという意味において、私はすごく幸せなのだと思う。
たくさんの人と出会い、たくさんの価値観を知り、少しずつ、今より大人になっていこう。
これが誇れるものだと、いつか言えるものを手に入れるために。
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