(SleepWalking)



夕立
 
今よりも更に世間知らずだった時のことを
雨に思い出す
冷たく揺れた髪は今でも
風にそよぐだろうか
世界にはわたししかいない
車のライトに照らされて
浮き彫りになったのはただ
傘も差さずにぽつりぽつりと
歩き続ける哀しいこども
その姿
きっと今夕立が来ても
わたしは許すことが出来ないから
蝉が焼け死んで落ちるほどの
強い日差しが欲しい
湿った世界ではおそらく
悲しみをぬぐえないから

2005年08月10日(水)


にほんブログ村 散文詩

 
 
 
 

back  next  chronological  latest  index

芳   Mail  My Favoite