(SleepWalking)
あと一歩
近づけば、良いのに 出来ずにいる愚かさ 階段はあと一段 降りて あのこの隣に座ったら あなたの顔も、正面から見れるのに どうして立ち止まるの なにも変わらない あなたは あたしを知らないままで あたしは 大きな容器に入れられた たくさんの金魚のいっぴき そのくらいにしか なれない
あなたの向かいに陣取っている 彼女が正直、羨ましかったわ きっかけすら掴めないでいるあたしと 対照的なあのこ なにを思ってるかなんて知らない あたしもそこに、居たかった それっぽっちの勇気も出せないまま そのまま うずもれて 死んでしまう あたしのちいさな思いが、そこに 倒れて駆けだしてもがいてる あなたの背中が邪魔をする 見ていられたら幸せだ、なんて あたし そんなかわいい子供じゃないから あなたの耳に静かに欲情したまま 暑さに身を任せている あと一歩 踏み出せたら、どんなに良かっただろう 思い出しても戻らない 時間を無視した臆病者
2004年06月30日(水)
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