CARRIE、凛として時雨@下北沢CLUB QUE
2006年11月11日(土)
凛として時雨主催のイベント。トキニ雨#6。
2マンで、対バンはCARRIE。exミッシェルのアベのいるバンド。

昼過ぎに起きて、チャーハンを作って腹ごなし。
ギターの弦を張り替える。
ダダリオのステンレス弦、今回は10-46を張って見た。
ナットがイカレ始めているので、電装系のチェックとブリッジの見直しもかねてそろそろオーバーホールをしてあげなきゃなぁ。

5時に下北沢へ集合し、連れとともにハイライン階上のcafeへ。
しばし無駄話をしてQUEへ。整理番号は20番だったので最上手側最前をKEEPできた。

目の前に返しのスピーカを挟んでマイクスタンドがある。
そしてSeenのTelecaster Customとマーシャル。

ついさっきまでアベが見れる、位にしか考えていなかったのに、いざその距離を確認すると段々と鼓動が早くなって来る。
連れと話ながらも、時間が進むに連れ緊張感が増していく。
ふと時計を見ると定刻を2分ほど過ぎていて、数分してベース、ドラム。そしてギター、アベが出てくる。

幕張メッセのミッシェルラストライブ。
Bのチケットで行ったライブで見た、遥か遠くのマッチ棒みたいなアベが、今日はすぐそこにいた。
細くてでかい。神経質そうな顔。マーシャルから出てくる音は、まさしくアベフトシのギターの音だった。
ボーカルが居ないまま演奏が始まり、一曲終わってボーカルが出てきた。

始めて聞くCARRIEはまさにロックで。
ロックギターを弾くアベがそこにいた。

黒いボディを背景に、べっ甲のピックガード。
2つのヴォリュームとドクロのトーンをミニスイッチで切り替えて弾くアベは全てがロックで機能的で美しくすら見えた。

ソロでヴォリュームを下げ切ったままのフロントに切り替えた瞬間音が出ないのを察したアベは、迷う事無く飄々とボリュームを上げてそのままソロを弾ききった。
迷いなど微塵もない完璧な動作。
アベの表情、ピッキング、フィンガリング。見ていたのはそれだけ。
始まって数曲は何故か緊張しすぎて音楽にノる事すら出来なかった。

ボーカルもベースもドラムもみんなそれぞれ魅力を備えたバンドだったけど、目の前でアベがカッティングしているともうそこしか見えない。
モニターが頭上にあって外音が聞こえにくいのとギターアンプの音が直撃だったせいもあったのかもしれないが、もう目を離す事が出来なかった。

自分が19〜20歳の時にあこがれていたギタースタイル。音色。
タイムスリップしたかのようにリアルな手触りであの頃の気持ちが甦って来て、何だかわからないけど泣きそうになるのをこらえるのに一生懸命だった。
そして、最近聞いている音楽や、最近の自分のギタースタイルの魅力が凄まじい勢いで色あせていくのを感じた。

40分弱のステージが終わって、ほとんど動いていないにも関わらず力を吸い取られたかのようにドっとした疲れが襲ってくる。

ピックを弦とネックの間に挟んで、ギターをスタンドに立てかけて去っていくアベ。去り際に一瞬の拍手を残して。
演奏中、一度だけ見せた笑い顔が妙に印象に残った。


正直、時雨のセッティング中も始まって数曲の間もどこか呆けていて、アベの事ばかり考えていた。

想像のSecurity、感覚UFO、Sadistic Summer、赤い誘惑、OFT。
段々とアベが抜けてきて、Acoustic。やっぱり歪みが深くなった気がするなー・・アンプのほぼ正面なせいもあるかもしれないけど。

今日は最上手だったこともあり中野さんもバッチリ見えた。
ドラムがやりたくなったのは、言うまでも無い。

テレキャスターの真実でパールの弦が切れたので黒に持ち替える。
345さんのライブ告知が終わり、「久しぶりの曲で昔を思い出してください」と、始まったのは"鮮やかな殺人"。

ここでやっと全てが吹っ飛び、景色が時雨に変わった。
確かに久しぶりな鮮やかな殺人。ヤバい。キラーチューンとはまさにこのこと。
345さんの物販告知が終わり、傍観がラスト。
いつも通り、いつも以上の壮絶なカオス。

終わって、いつも以上にしばらく動けなくなってしまった。
スティックはもらえませんでした。残念。

ギターヒーローの競演。
ギターロックではなくロックギター。その真髄が見れました。
かっこいいだけでオリジナルに成り得る、という真実。


定食屋で夕食を済まし帰宅。
そんな日。