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| 2006年05月03日(水) 石鹸カタカタ。(前) |
| ゴールデンウィークということで、どこか遠くへ行きたいけれど、妊娠中の妻の身体への負担を考慮して、レンタカーに乗って日帰りで近場の温泉に行くことにした。 妻はどうか知らないが、僕は大の温泉好きで、1度入ったら2時間は出てこないのは当たり前で、露天風呂に漬かりながら、世の中のはかなさとか人間の弱さとか住宅ローンの残り年数とか考えて、総括してまぁ頑張ろうという気になって出てくるのだけど、待つ身にしてみれば迷惑以外の何物でもなく、長い髪が芯まで冷えて、小さな石鹸カタカタ鳴らしながら早く出てこないかなぁと疎ましく思われるのである。 それに妻は妊娠中である。長湯も負担であれば、待つことも負担である。妻のリフレッシュの為に連れてきた温泉で妻にストレスをかけてはいけない。いけないけどやっぱり温泉気持ちいい。あと10分、あと10分だけ。あ、今の嘘。あっちの風呂にまだ入ってないからあと30分だけ。と、自分の中でワガママロスタイムを延長させながら、遂には1時間以上温泉に浸り、世の中のはかなさも、人間の弱さも、住宅ローンの残り年数も10回以上も考えてしまった。だいたい住宅ローンの残り年数なんて4年なので、考えたところで短縮されるわけでも延長されるわけでもない。 妻が、僕の妻が、湯冷めしながら僕を待っている! あなたは私の体を抱いて、冷たいねって言ったのよ。と、脱衣所に入った時点で慌て出すところが、朝8時前にどうしてもっと早起きしなかったのだろうと泣きべそかくことと同じで、僕はまだ若いから大抵のものは怖くないが、長時間待たされても文句一つ言わない、ただあなたの優しさが、こーわーかーあっーたー。と口笛吹きながら平然と出てきて、何て謝ろうかなぁなんて考えて周囲を見渡すと妻がいない。そこにいるはずの、妻が、いなかった。 |
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