2006年03月09日(木)  指切り 一。
 
僕は心療内科・精神科に勤務していて、1日中、妄想に支配されていたり、幻覚に操作されていたりと、全く意志疎通のできない患者さんを看護することも少なくない。こうしたことを書くと誇張されて偏見を招いたりするのだが、時には暴力があったり突然傷を負うことだってある。
 
それでも10年間、この仕事を続けているのは、完治が見込めなくても、よりよい状態に戻したいから。ひどい妄想から少しでも救ってあげたいから。そして、世に蔓延する偏見を少しでも軽減させたいから。だから僕はこの世界に入った時から一貫して患者さんを障害者として見る目は持っていない。
 
「普通」という誰が決めたかわからないボーダーラインに左右される人たちの目を、僕は信じていない。そこに「人」がいる。そこにいる「人」が困っている。苦しんでいる。だから僕は看護する。ただそれだけのことだ。
 

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