2005年12月19日(月)  いいわけ 七、いつまでもの終わり。
 
彼女はもう一日だけここにいると言うので、もう一日彼女と一緒にいられることが嬉しいのか。もう一日彼女と辛い思いをしなければいけないことが悲しいのか。
 
「どこ行こっか」と、ベランダでタバコを吸いながら彼女の方を見ると、洗濯をする準備をしている。最後の朝に洗濯をする恋人。僕の恋人は、どこまでも僕の恋人だと思った。
 
洗濯終了のブザーが鳴り、洗濯物を取りに行こうとする彼女を止めて自分で取りに行く。いつまでも彼女に甘えるわけにはいかない。彼女とのいつまでもは、今日で終わりなのだ。
 
洗濯物を取り出すと、何だか洗濯物を入れる前より汚れている。細かい紙のようなものが、洗濯物全体に付着している。彼女を呼んで、一体これは何なのだろうと問いかける。「あ」「あ」同時に気付き、同時に探す。そして洗濯カゴの中に文庫本を入れたのはどっちかと言い争いが始まる。トイレの前に洗濯カゴが置いてあり、トイレで文庫本を読んだ後、どちらかが洗濯カゴに放り込んだのだ。
 
「あ、でもね、私のブラジャーとパンツは大丈夫。ほら、生地が違うからね」
 
無惨な洗濯物の山から彼女は自分のブラジャーを探し出し、それを誇らしげに掲げる。そんないつもの朝は、明日でもう終わる。
 

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