2005年07月15日(金)  トルネコの大冒険3。
 
「それはね、あなたの顔が怖かったのよ」
 
と、トルネコを買い取ると言った女学生が消えた件について彼女は言った。要するに、勇気を振り絞ってコワモテの兄ちゃんにトルネコを売ってくれと言ってはみたものの、なんだかすごく不吉な感じのするイラストが描いてあるTシャツに腹まで伸びた無精ヒゲ、破けたジーンズからはレッサーパンダが顔を出し、ベースボールキャップから覗く後ろ髪は虹色に染められて、デッカクナッチャッタ! と言ってもないのに既に耳がでかい20代後半の男に、ただであげるなんて言われて、もしかしてトルネコをタダでやった。タダより高いものはねぇんだよと、恩を着せられ脅されて、私たちは異人さんに連れられて行っちゃうかもしれない。やだな。怖いな。この兄ちゃん。初対面の人間にタバコ買ってくれとか言ってるし。逃げよ。ねぇエリ。逃げようよ。えっだってせっか……。来たよ! こっち来るよ! エリ早く! キャア! エリッ! ミカ……私にかまわず逃げて! そんなことできるわけないでしょ! 早く私の背中に! ミカ……。エリ……。明日の4時間目なんだっけ。社会よ。やだなー明日の社会自習にならないかなー。なんて言いながら去っていったに違いないと彼女は言う。そんなことあるかと僕は思った。
 

-->
翌日 / 目次 / 先日