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| 2005年01月29日(土) 完全な捏造でした。 |
| 大失敗をした。先日、職場で僕の母と同じ歳くらいの看護婦さんと話をしていた。 「九州の人って濃口が好きなの? 薄口が好きなの?」 「うーん。濃口だと思いますよ」 濃口だと思わなければよかった。別に濃口だとも思ってはいなかった。しかし九州といえば、何となく勇ましいってイメージかしら、勇ましいのであれば濃口か薄口だったら濃口だろう。勇ましいから濃口。よくわからんけど。という程度の感覚で答えてしまったのだ。人生に巻き戻し機能があるのなら、その雑談をしていた頃に戻りたい。 布石が打ってあったのだ。この談話をする3日前、やはり同じ看護婦さんとの会話。 「ヨシミ君って自分で料理作ってるの?」 「いや、全く。コンビニか外食です」 「体に悪いですよ」 「そうですよね。外食ばかりだから時々家庭料理ってものに憧れるんです。例えば実家にいた頃は母が作った料理に『また煮物かよ〜』って文句言ってたんですけど、一人暮らしするようになってから、あの煮物がたまらなく恋しい時があるんです」 「私も娘に煮物作ったら文句言われますよ。それと一緒ですね」 「親元離れてからありがたみがわかるんですよね」 雑談。これは雑談である。雑談というものは5分経ったら忘れてしまうものである。確かに時々無性に煮物が食べたくなる時があるけれども、まぁそれはそれで、まぁ雑談ですから、まぁ仕事がちょっと暇なだけですから。という程度に感じていたのである。僕は。 そして今日、僕が「九州は濃口」しかも「東京の料理はどれも薄口で、傍に香辛料がなければ生きていけない」なんて、別にそんなことはないけれども、僕って九州男児! という、看護婦さんの「なんとなくな九州男児観」を損なわせないように「なんとなくな九州男児論」を述べてしまった会話の10分後。僕は神を、そして自分を恨んだ。 「ヨシミ君、ほら、この前煮物食べたいって言ってたでしょ。娘に作っても嫌がられるだけだから、ヨシミ君に作ってきました」 !! 「でも……ゴメンね……、私の料理って薄口なんです……、もしかしたらお口に合わないかもしれません。本当にゴメンなさい」 そそそそそそそそそそそそそそそそそんなことありません! と、僕は酷く狼狽。前言とか前々言とか前々々言とか全て撤回したい。しかもあの「九州男児論」は全くでっち上げだ。完全な捏造だ。1200℃で煮たニンジンやジャガイモでDNA鑑定できるのはおかしい。と、意味もなく北朝鮮モードに入った僕は、看護婦さんから受け取ったタッパーに入った母の味を、うちに帰ってレンジでチンして、別のタッパーに入ってあった高菜の漬物とかきんぴらごぼうと一緒に食べた。本当に美味しかった。涙が出てきた。これからは軽薄な発言はよそうと本当に思った。 |
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