2005年01月05日(水)  滑走デート。
 
アイススケートなんて10年振りである。高校卒業したての頃、友人達と卒業記念にどこかに行こうということになって、なぜかアイススケートに行った時以来である。今回は彼女がどうしてもアイススケートに行きたい。氷上の天使になりたい。いい加減あなたから卒業したい。ということで、じゃあ卒業記念にでもと、高田馬場のアイススケート場へ行ったなんて書くと、本当に貴方は嘘ばかり吐く。貴方は適当に思いついたことを日記に書いてただヘラヘラしているだけかも知らんが、私は私の他、私のクラスメイトだって貴方の日記を見ているので、そんな好い加減なことばっかり書いて困るのは私なんだから、ほら、ズボンからシャツ出てる。鼻毛もちょっと出てる。なんかそういうダラダラしてんの気に入らなくてしょうがない。この阿呆の三杯汁。嘘吐くなボケ。アイススケート行きたいって言ったのテメェじゃねぇか。馬鹿。阿呆。ブ男。でも大好き。と、彼女が言うことは明白であって、僕達は若いんだから好きだと思ったらそれだけで万事オーケーじゃないかと思うのだけど、まぁ好きなことは好きなんだけど、好きであるが上に気に入らないところはとことん気に入らないという、ありがちな乙女心が作動し、はいはいわかりました。わかりますた。だっふんだ。と、なぜか志村けんモードでその状況を乗り越え、何を書いてるんだったっけ。そうそう、アイススケートに行ったのである。
 
まぁ僕がスケートに行きたいと言い出したのは、スケートっていうのは、大抵女性は苦手であって、氷上を極度な内股で、あー! あーっ! あーっ! 転ぶー! 転んじゃうー! なんて悲鳴を挙げながら彼氏に助けを求めるのであって、しょうがねーなーっつって彼氏は彼女の手を取って、いいかい、まずはこう両足を外の方へ向けて滑っていくんだよ。なんて彼女を指導するのがアイススケート場の正当なデートの方法であって、僕の彼女のように、わーひさしぶりーすべれるかしらー。なんて言いながら華麗なフォームであっという間に一周してくるなんてのは彼氏の面目丸潰れであって、僕も10年振りなもので、人並の滑り方を習得するのにちょっとした時間を要して、やっと周囲の人と遜色ない滑り方ができたと思っていたら、彼女は「ほら、見て」とか言って、その場でクルリと回ったり、後ろ向きに滑ったりと、お前、そりゃ素人の技じゃねぇよと思うことまでやっている。
 
あーつまんね。と、子供みたいにいじけてベンチで休んでいると、もー。早く滑ろうよー。と疲れを知らない二十歳の彼女は、一緒に滑走することを強要する。ふざけんなと思う。勘弁してくれと思う。僕も気付けば28歳。前回卒業記念でスケートに行ったときは18歳。あの頃は疲れも知らず、1日中滑ることができた。しかし今は1時間も滑れば膝が悲鳴を挙げる。しかもさっき彼女のフォームを真似て後ろ向きに滑ろうとして転倒してしまい、氷上にしこたま頭を打ちつけた際、小学生らしき少女にスケート靴でしこたま顔を蹴られたので、今はもう滑ることが怖いのではなくて、なぜか小学生の少女全般が怖くてたまらない。勘弁してくれ。キミを連れてくるべきではなかった。ちょっとこのスケート靴の靴紐が、なんつーか僕と合わない。なんて意味不明の言い訳をしつつ、僕はベンチで一人座り続け、彼女は楽しそうに氷上を滑り続けていた。
 

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