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| 2004年12月22日(水) 自分を大切に。 |
| 先日、池袋の旭屋書店で小説を購入する為に会計に並んでいると、隣の会計に並んでいた中年男性が図書券でもって支払いを行おうとしている。はは、いいね図書券。僕は持ってないけれど、本の購入方法として一度は経験してみたい支払い方法だよね。意味わかんないけどね。「図書券」という仕組みというか概念というかそういうのあんまり意味わかんないんだけどね。と、ちらちら横目で眺めていると、会計の女性が、「こちらを使用するとお釣りの払い戻しはできませんがよろしいでしょうか」と言っている。僕が図書券の仕組みというか概念というかそういうのが意味わからない理由の一つにお釣りも返ってこない使えないものというものがあるのだが、まぁ、そういう仕組みになってるのだからしょうがない。よって僕は会計の女性にそう言われても「はい」と、素直にそれを納得、受容するのであるが、その中年男性は違った。 「知ってます」 知ってます! 知っているのである。お釣りが返ってこないのは百も承知なのである。僕だって中年だって百も承知なのである。だのに。だのになぜ、僕はお釣りが返ってこない事実に対して、「はい」と受容するのに対し、隣の中年は「知ってます」などと当然のことを言ったのだろうか。 これはきっと自尊心の問題であると僕は思うのである。「こちらを使用するとお釣りの払い戻しができません」と僕は言われて、できないものはしょうがないんだからしょうがないものはしょうがない。ここは素直に「はい」と言って、とっとと支払いを終えてスタバにでも寄って買ったばかりの小説の項を開こうなんて思うのであるが、この中年男性は違う。「これは図書券といって、例えば貴方が500円の文庫本を購入して1000円の図書券を差し出しても、私どもはあなたに500円のお釣りを渡すことができないのです原則として。なかにはこの事実を知らない人もいて、なんでお釣りが返ってこないんだーって大騒ぎする人もいるので、まぁ、あなたもいい大人ですからご存知かとは思いますけれども、一応確認の意味を込めて言っているだけなんですよ。こういうのも仕事なんですから。だからお釣り返ってきませんからね。そういう仕組みになってるんですからね」という意味に受け取ったのである。ひどくプライドを傷付けられたのだ。お主、俺様を馬鹿にしやがってである。子供のように扱いやがってである。そういう状況に陥れられては出てくる言葉は一つしかない。馬鹿への否定、自尊心の挽回、「知ってます」 なんて子供らしい返答だろうと思った。なんて自分を大切にする人なんだろうと思った。僕ももっと自分を大切にしようと思った。意味のない自尊心も時には大切なような気がした。 |
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