2004年12月21日(火)  愛だけで生きていけるような気がしましたよ。
 
僕より齢が八も下のくせに、彼女がいいこと言った。忘れずうちにそれを記そうと思ったきっかけは、先日、いつものように喧嘩をして、どうせ僕が悪いんだ。悪いのは僕だ。キミはちっとも悪くない。キミをつまらない思いしかさせない僕がいけない。いけないったらいけない。二人の間に存在する悪を、罪を、罰を、僕が全て背負い込んだ。あぁ僕はなんていけない奴なんだろう。だらしない奴なんだろう。僕が悪い。悪いったら悪い。はいはいはいはい僕が悪いのですよ。と、これもまたいつものように「僕が悪いんだから喧嘩やめようモード」に突入した時にふと気付いた。
 
もし僕が女で、僕のような彼氏がいたら、僕は私は絶対嫌いになる。速攻別れてしまう。しかし彼女は僕のことを「嫌い」と、そして時にはその「嫌い」の具体的内容を説明するというのに、「別れよう」という言葉は一切発しない。僕なんて本当は別れるつもりもないのに「別れよう」と言ったり、本当に別れるつもりで「別れよう」と言ったりと、彼女を度々混乱に陥れるのだが、彼女は健気にその言葉に耐え忍び、暗い話はよしましょう、ほら、路傍に花が咲いている。とでも言うような風情で、口元に柔らかな笑みを浮かべ、今日も「大好き」というメールを送ってくる。
 
どう考えたっておかしい。何が大好きなんだ。こんなに非道い男なのに。嘘なんじゃないかもしかして嘘なんじゃないか。大好きなんて言ってごまかしておいて、ごまかしておいて、……。ごまかして、何するんだろう。ごまかす必要などあるのだろうか。ゴマカス。それにしてもヘンな言葉。と、思考がまたもやよからぬ方向へ行きそうになったので、僕は彼女に単刀直入に聞いてみました。キミは僕のことをよく嫌いというけど好きとも言う。しかし別れようとは言わない。これは一体どういうことだ。なんだこのちょっとした矛盾は。
 
彼女は言った。「簡単なことよ。私はフィレオフィッシュバーガーは嫌いだけど、マクドナルドは好きってこと。要するに好きの大きさと嫌いの大きさの比率の違いよ」
 
愛だけで生きていけるような気がしましたよ。
 

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