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| 2004年06月17日(木) 善意の消耗。 |
| 「ヨシミ君、これやっといたからね」 と、夜勤明けの看護婦さん。僕は日勤帯の看護婦さん達の輪に入り、今日も仕事だ、今日も電車が込んでいた、今日も暑くなりそうなどと、ドラマの台本を読むような当たり障りのない会話をしていたところ、まだ仕事中の夜勤帯の看護婦さんが「ヨシミ君、これやっといたからね」と、患者さん数人を採血したスピッツを僕に渡す。 ここで僕は言葉に窮する。応対に困惑する。今日はこの採血をしなければいけない病室は僕の受け持ち部屋ではないのだ。その病室の受け持ちの看護婦さんは僕の横で時間が止まってしまうようなゆっくりとした動作でお茶を飲んでいる年配の看護婦さんであって、僕は違う病室の受け持ち。 しかしこの夜勤明けの看護婦さんは「感謝されたい」と思って、夜勤の仕事以外、日勤帯の仕事をしたのであって、致命的なのは感謝される対象を間違えているのであって、同時に感謝される対象を間違われたのも致命的なのであって。 「わぁ。ありがとうございます! 助かりました!」 と、僕がここで歓喜の声を挙げれば夜勤明けの看護婦さんは、採血してよかった。喜んでくれて私も嬉しい。こんなに喜んでくれるのであれば次の夜勤の日も、ヨシミ君の手伝いをしてやりましょと思う。 「あ、すいません。今日この病室の受け持ちじゃないんです」 と、対応した場合、看護婦さんの善意と苦労が水の泡。受け持ち病室を間違えた看護婦さんが悪いのだけど、責めるべきことではない。 結局僕は「わぁ。ありがとうございます! 助かりました!」の台詞を選択肢。隣で茶を飲んでいる看護婦さんが「あ、その採血、私の病室の患者さんのやつじゃない」と言わないように気付かないように祈りながら、夜勤明けの看護婦さんには最大の敬意を表し朝から消耗。 |
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