2004年05月27日(木)  掘り出し物見つかった?
 
中古CDのワゴンセール。あれは一体なんぞ。「ALL100円!」の張り紙。いいね。安いね。掘り出し物が見つかるかもしれないね。と人ごみの中に身を投げて中古CDのワゴンに手を伸ばして愕然。あぁ、とても面倒臭い。なんだこの暴力的とも思える不親切さは。
 
100円で売ってやるんだから探す煩わしさくらい我慢しろよ。苦労して探せ。してこませ。100円で売ってやってるんだから。と店側の高慢な態度がワゴンの裏に見え隠れ。あーん探しづらーい。タイトルの文字が小さくて見えなーい。お。適当に、これいいかもと思ってCDを取りだしてみると渡辺美里だったりするー。あぁ、僕は渡辺美里は買わない。これは、違うんだ。ちょっと、タイトルが気になったから取り出しただけなんだ。と、周囲の客に無言の釈明。
 
あー面倒くせー探しづれー。知らない歌手ばかっかりだー。KATSUMIとか懐かしー。掘り出し物なんて見つかんねー。と、ワゴンを漁っていると神様にお叱りを受けた。「掘り出し物とは何ぞや!」そこで僕は詮索の手を止め考えた。
 
掘り出し物ってなんだろう。しかし僕は今ここに「掘り出し物を探そう」と思って立っているわけで、掘り出し物を発見せしめる為に労を惜まずパタパタパタと不規則に陳列されたCDを見ているのであって、掘り出し物が見つからないからこうやっていつまで経ってもうやむやとした気分の中、ワゴンの前に留まっているわけであって神様ありがとう。そうだ。「掘り出し物」という漠然とした言葉に僕は騙されていたんだ。形の見えない物を僕は延々と探し続けようとしていたんだ。危ない危ない陽が暮れるとこだった。
 
と、ワゴンセールの人ごみからしばし抜け出し、僕にとっての具体的な「掘り出し物」について考察する。一体僕はいかなるCDを発見した時に「掘り出し物だ! やっぼっ、ぼげ。やっほー!」と、痰を絡ませながら喜ぶのだろう。そして今までの人生で、時代遅れのCDが山積みされたワゴンを前にして掘り出し物が見つかったと歓喜したことがあっただろうか。
 
というわけで瞬時に馬鹿らしくなり、一つのことが馬鹿らしくなると全てのものが馬鹿らしくなるので、もう全部馬鹿。全部自分の都合。相手のことなど微塵も考えていない。我先に我先に。街に出ると辛い。ほら空を見上げて御覧。皆のエゴが集まってあの黒い雲ができているんだよ。と、何年後か先に生まれる自分の子供に言い聞かせたい。
 

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