2004年03月04日(木)  偶然加藤と会った。
 
彼女を東京駅まで送って、帰りに飯でも食って帰ろうかなと池袋に寄って、よく考えたら腹減ってないし時計を見ると午後5時。飯を食うにはまだ早い時間だなぁ。と、池袋駅東口。キャッチのお兄ちゃんのようにタバコをふかしてぼんやり立っていると一人の青年が話し掛けてくる。キャッチにキャッチとは何事だ。紳士協定を犯しやがってこの野郎。名を名乗れ。
 
「加藤です」
 
あ、加藤か。それにしても普遍的な名前だなぁ。とりあえず思いついたような名字だなぁ。いかがわしいなぁ。で、何? 何の用? 僕は彼女を駅まで送って、空腹感つーか空虚感? そんなやつに支配されてた獅子座のA型、ヨシミという者だけどあんた誰? 加藤? で、加藤は僕に何の用? 手相とか見るの? いかがわしいお店に連れていくの? あっち行けよ。なんか香水臭いよ。他あたれよ。
 
「加藤ですよ。忘れたんすか!」
 
あぁ、思い出した。加藤か加藤。確かキミ加藤なんとかって言ったよね、名前。加藤なんとかだったよね。見るからに男性だよね。血液型は見た目じゃわかんないし、それにあれだよ。加藤の名字がいけない。シンプルだからこそ惑わせる。で、何? 何の用? 僕は彼女を駅まで送って、飢餓感つーか危機感? そんなやつに支配されてた九州出身の7月生まれ、ヨシミという者だけど、加藤は何? 僕に何の用? スカウトとか? 飯でも食いに行く? 豚めし食える?
 
「いや、まだ仕事中なんで」
 
じゃあ仕事中に話し掛けてくんなよ加藤。加藤は昔からそうだった。変わっちゃいない。名字と一緒で何も変わっちゃいない。加藤は永遠に加藤だ。婿養子にでもならない限り加藤だ。で、何? ちょっとうざいんだけど。ほら、こっからマツキヨ見えるでしょ。あそこ行かない? で、ボディソープの詰替え用買ってよ。買えよ。くれよ。詰替え用ってさ、よし! 今日は詰替えよう! って覚悟と決意がいるよね。明日でいいやって思っちゃうよね。絞り出して使っちゃうよね加藤。おい加藤! なんだその顔は。漢字二文字で表すと怪訝と書きます。怪訝な表情。怪訝な表情をしていた加藤は。と倒置法。
 
「すんません。人間違いでした」
 
阿呆が。
 

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