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| 2004年02月05日(木) 殴らない。守らないと。 |
| 最近小学生が通りすがりの青年に殴られたりカッターで切りつけられたりする事件が多発してるでしょ。あれって何? なんで多発してんの? 全部同一犯じゃないの? とニュースを見るたびに首を捻るのだが、精神医療に携わっている立場上、彼等の精神病理をある程度理解するべきだと思うけど、文献などを調べてみてもなんか考えたら誰でもわかるようなことばかり書いてあるので更に首を捻る。 だいたいね、なんでも幼少期の所為にすればいいってもんじゃないんだよ。やれ虐待だーやれトラウマだー。って、今の僕が悪いのはー今の僕の行為が罪なわけではなくー僕の過去が悪いのであってーいわゆる僕は加害者であってー被害者でもあるー。なんてねぇ。もっと今の自分に責任持ちなさいよ。過去なんて持ち出してどうすんだ。つか手前の過去なんて知らねぇし関心ねぇよ。 というわけでトラウマという言葉がプチ流行している現代でありまして、僕が精神医療の現場に飛び込んだ頃はまだトラウマなんて言葉は一般化されてなくて、医師さえもその言葉を使うということはなかったのですが、最近は医師も患者も看護師も、主婦も無職もマスコミも、猫も杓子も心的外傷。厭な世の中になりました。 んで小学生を殴る青年。トラウマを持ち出して精神分析するよりも、もっと動機は浅いような気がするのです。実際。例えば「なんかムシャクシャしたから」という理由で犯行に及んだとするでしょ。では、どうしてムシャクシャしたのだろう。と偉い学者さんは考えるわけですよ。鼻糞まで脳味噌みたいな人たちがね。で、そうだ。過去を探ってみようなんて痒くもないところ、ほじらなくていいところを掻いたりほじったり。で、犯人は当時父親に虐待されていた! ほらやっぱりね! 脳味噌だか鼻糞だかほじりながら雄弁に語りだすわけであります。 僕なんて小さい頃はちょっと強迫神経症っぽいところがあったり、小学生の頃は常習万引きを繰り返したりしてたけど、ほら、僕は小学生は殴らない。ややもすると最近の小学生はやけにでかいので殴られる恐れだってある。そういえばこの前の夕方、夜勤のため駅まで歩いてるとき、帰宅途中の小学生に囲まれてひどく恐ろしい思いをした。突然僕の背後から6名程のガキが僕のコートの裾を掴み、なんだか聞き取れない言葉を使いながら僕を囲んだのだ。 眉間に皺を寄せ耳を澄まして聞いてみると「手袋が落ちた」と言う。優しいじゃないか。そのうち2・3人のガキが髭オトコだの足が短いだの僕のことを小声で罵倒してたけど、大人は落ちた手袋なんて拾ってくれないしね。僕たちは大人なんだからこういう少年少女を殴るんじゃなくて守らなければいけないと思いました。 |
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