2004年02月03日(火)  ポテトとテリヤキと楕円形。ほんの少しの思い出と。
 
駅の前には楕円形のロータリーがあって、ロータリーの中には枯れた池や放置された自転車や、冬なのに鬱蒼と茂った大木や、「駅前ロータリーは皆様の誇りです 違法注輪がなくなる様にご協力ください」と書かれたのぼりや、吸い殻、眉と髭の濃い外人、ダボダボのパンツをだらしなく履いたヤンキーなどが無作為に配置されており、問題なのはこの楕円形。綺麗な円形ならば外観もそれなりに保たれるような気がするのだが、やはり機能性を求めた場合、このように楕円形にせざるを得ないのだろうか。しかし外観と機能性を同時に求めたが故に、このような荒廃とした風景に成り果てている。
 
と、このロータリーを一望できるオーストラリア産の獣肉を扱っている全国チェーンのハンバーガー店の二階からてりやきマックバーガーを貪りながら眺めているのであるが、セットメニューは、ポテトのサイズがMであって僕はMサイズのポテトを完食するという意志が欠けているのか、半分くらいポリポリ食べていると間もなく飽きてきて、残りの半分はポテト完食我慢大会のような様相を呈してきて、なぜ金を払っているのに我慢しなくちゃいけないんだ。と不毛な感覚に支配されながら対応策に思案を巡らしていたところ、あ、そうだ。Sサイズでいいじゃん。Sサイズだったら食べれるじゃん。と店員に打診。
 
「セットのポテトはSサイズにしてください」
「しかしレギュラーサイズのお値段になりますが」
「じゃあさ、こうしようよ。てりやきマックバーガーと、ブレンドコーヒーと、ポテトのS。それぞれ単品で」
「かしこまりました。お会計450円になります」
「セットの値段って幾らだったっけ」
「450円になります」
「一緒じゃん」
「一緒ですね。ですからセットメニューの方がお得になりますよ」
「お得も何も僕はポテトが多いからSにしてくれって頼んでいるんでおます。阿呆」
「それではそれぞれ単品で450円でおます」
「得したような損したような」
「それでは今日は特別にサービスします」
「サービス? なんだよ。何ニヤニヤ笑ってるんだよ。阿呆」
「スマイルでおます」
「それって無料じゃないのかよ」
「今日は余分に笑っております」
「染之助染太郎かよ」
 
という問答の末、結局Mサイズのポテトを前にポテト完食一人我慢大会が目下開催されているわけであるが、ポテトのことなど実はどうでもいい問題なのであって、このてりやきマックバーガー。これをどうにかしなければいけない。
 
というのも僕はこのてりやきマックバーガーの食べ方が日本で六番目くらいに下手糞で、飛び出したレタスだけ口に入る。上の方のパンだけ食ってしまい、残された肉についたタレで包装紙がベタベタする。もしくは肉を先に食ってしまい、最後の方はただのレタスバーガーになる。食べ方が下手なので、てりやきのタレやマヨネーズが口の端に付着して子供みたくなる。よって何の効果があるのかかじりつくタイミングを見計らって勢いをつけてハンバーガーを頬張る。しかし結果は同じで多量のタレとマヨネーズが口の端に付着する。それはとても恥ずかしいことなので一刻も早くナプキンを用いて口元を払拭したい。ナプキンを手に取り口元へ持っていく間も、口腔内ではてりやきバーガーの咀嚼が開始されており、ここは味わうべきだが、味覚よりも羞恥心の方が大きいので、慌てて口の端を拭き終えた頃にはもうハンバーガーは嚥下されており、どんな味がしたのかさえ覚えていない始末。
 
しかも最近のてりやきマックバーガーのラッピングときたら酷くぞんざいで、昔は、昔っていうと僕は看護学校の頃、一年程マックでバイトをしており、マックのバイト仲間とキャンプに行って、バーベキューでなぜか首筋を火傷して、その火傷を即座に治療してくれたバイトの後輩からややあって告白されて、僕は痛みでそれどころじゃなかったし、何よりも当時は彼女がいたのでゴメンなさいと断ったら終始泣きっぱなしで散々なキャンプになった挙句、その娘は翌日バイトをやめてしまって、バイト連中に私はヨシミさんにヤリ逃げされましたと吹聴して火傷と冤罪で散々な思いをしていた当時、てりやきマックバーガーのラッピングは今のように薄っぺらい紙一枚ではなく、もっと凝った作りになっていて、ちゃんとハンバーガーを収納するポケットのようなものがあり、そのポケットのお陰でてりやきマックバーガーを食っても反対側からレタスや肉が飛び出すという悲劇を未然に防止できたが、なんだい今のぞんざいなラッピングは。と憤りながら駅前の楕円形のロータリーを眺めながら。
 

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