2003年12月30日(火)  過失機能。
 
遂に買いました。ハロゲンヒーター。うちのエアコンは20世紀に製造されたやつだから、電気代はかかるし足元はちっとも冷えないしで、全然使えなかったのであります。
 
足下が冷たいと、なんかこう、創造力が沸いてこないというか、行動力が減退するというか、倦怠感が増大するというか、何事にも集中できない。集中できないので原稿が書けない。原稿が書けないまま〆切が目前に迫る。〆切が迫ると出版社の人がヤミ金のお兄ちゃんみたいになる。精神的に追いつめられる。追いつめられると文章が支離滅裂になる。そんな文章書いてると「もう少し読む人に優しい文章を書いて下さい」などと言われる。僕だって誰もが感動する文章を書きたいけど足元が冷えるので何も書けない。どうしよう。そだ。ハロゲンヒーターを購入せしめよう。
 
というわけで池袋。某大型家電量販店。ハロゲンヒーターといってもいろんな形があるんだね。扇風機の形のやつは冬の情緒をぶち壊しにするのでどうしても避けたいと思っていたところなんだが、これなんてどうだろう。長方形。なんかいいね。これいいね。格好いいよね。これにしよう。これ下さい。
 
え? 在庫ないの? 展示品のみ? じゃあまけて下さいよ。東京の心が冷たい人たちが暖を取る為に困った人には差し伸べようとしない手でベタベタ触ってるんでしょ。やだよ。原価じゃ買えないよ。僕まで心が冷たくなっちまうよ。まけてくれたら買ってあげる。暖房器具は買い手市場なんでしょ今。僕の方が偉いんだ。おい、まけろよ。まけてくれなきゃあっちのお店に行っちゃうぞ。へへ。5980円を4980円? あともう一声。ダメっすか。まぁいいや。これ下さい。
 
展示品なので、箱には入れてもらえず、好い加減な包装をされて馬鹿でかい紙袋に入れられて、電車に乗ってうちまで帰る。
 
コートも脱がずに早速コンセントに差し込み電源オン。2秒で暖かくなりますと書いてあったが、本当に2秒で暖かくなった。さすがだね。これで僕も人並みの文章が書けるよ。おっ、なんだこれ。わぁ、すごいぞすごいぞ。このハロゲンヒーター、加湿機能も付いてるんだ。湯気出てる。おい湯気出てるよ。ひゃぁ。こんなん説明書に書いてたっけ。まぁいいや。もうけました。加湿機も買おうかなぁって思ってたんだ。いいねいいね。暖かいし、乾燥しないし。ん? なんだ。隣の部屋か? なんだかコゲ臭いぞ。火事かしら。年の瀬だから気を付けなきゃね。っておい! 隣の部屋じゃない! この臭いはこのハロゲ
 
ボンッ
 
爆発しました。加湿機能なんかじゃありませんでした。ただ機械の接触が悪くて煙が出てただけでした。だけでした。っておい! これはただ事じゃないぞ! 加湿機能じゃなくて過失機能じゃないか! しょ、消費者センターに訴えてやる! その前に電話しなきゃね。買ったところに。
 
「すいません。今日ハロゲンヒーター買ったんですけど、爆発しました」
「申し訳ございません。すぐにお取り替えしますので、当店の方へお持ち下さい」
 
え? 持っていくの? 実に理不尽だなぁ。やるせないなぁ。
 

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