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| 2003年12月23日(火) 自分広告。 |
| 先日、フリーペーパーの求人誌について書いたが、あの数十ページの薄い雑誌に、まだまだ特筆すべく面白いことが書いてあったので引き続きその記事について。 雑誌の末尾に『自分広告.com』というコーナーがある。これは企業に対して自分はこんなに素晴らしい人材です! とアピールして企業からのオファーを待つという、少々虫の良いコーナーだが、皆、希望の職種と性別、出身地、学歴、資格などと一緒に一行ほどのアピールポイントを書いている。ノーマルな人だと「私はパソコン業務が得意です」とか「私は既存顧客の管理とレベルアップには自薦あり」などと書いている。しかしこんなノーマルなアピールなどされても面白くない。現代は個性の時代なのだ。 「洋楽が大好きです! 接客向いてます!」 これである。これが個性である。しかし個性があっても企業に趣味をアピールしてもどうしようもない。しかも洋楽と接客が繋がらないところにこのアピールの悲しさがある。「洋楽が大好きです。接客向いてます」これだと少し落ち着きを感じるが!マークがついた瞬間にこの記事の悲しさがアップする。 「和み系と言われます」 だからどうしたというのだ。確かに周囲から和み系と言われるかもしれない。いや、それも怪しい。だいいち「あいつってかなり和み系だよなー」という会話を聞いたことがあるか。「自分は癒し系です」とか言う奴に限って、そう思ってる奴は自分だけということを気付くべきである。しかも求人で「和み系」などとアピールしても何の効果もないということを気付くべきである。 「私はプラス思考です」 一見問題なさそうだが、雇用側にとってみてはこれはちょっと問題である。「あー失敗したけどまっいっかー。バイトだし」と、プラス思考が妥協に変化する危険性があるのだ。無暗にプラス思考ですってアピールするのも考え物である。 「私は思わぬ、見つけものですっ!!」 一人で舞い上がっている。何か特筆すべき特技でも持っているのであろうがひどく自信ありげである。しかし「見つけもの」というのは第三者が判断するもので決して自ら使うべき言葉ではない。 「私は、サッパリ派です」 まるで意味がわからない。サッパリ派だなんてそんな派閥どこにあるというのだ。「あいつはイライラ派だから気を付けた方がいい」「あいつはモヤモヤ派だから何考えてるのかわかんない」という会話が交わされているのだろうか。しかもサッパリ派が果たして就職に役に立つのかどうかさえ疑わしい。 「力を貸してください! 力になります!」 どっちやねんという話である。借りたいのか貸したいのか。 「やる気はあります」 正直者か馬鹿であろう。もっと巧妙な言葉を使えばいいものの「やる気はあります」と。この人はやる気はあるが、何かがないのだ。「やる気はありますが、なぜか遅刻します」とか「やる気はありますが、何事も長続きしません」などと、この「やる気は」の「は」の部分にはその後に続くマイナスイメージを想起させる。 こうして様々な人の多様なアピールを笑ってきたが、果たして自分だったらどう書くだろうと思ったとき、しばらく考え込んでしまった。一行でどれだけ自分をアピールするか。個性を輝かせることができるか。やっぱり僕もこう書くだろうなぁ。 やる気はあります。 |
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