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| 2003年12月17日(水) 見えないものを看るということ。 |
| 心の病を看る仕事を始めて、もう長い年月が経ち、様々な人と病と出会ってきた。 心の病と聞いて、まず思い浮かぶものは、統合失調症だろうか。うつ病だろうか。それは人によって違うだろうけど、それと同じで、そのケアも決して画一的ではなく、個別性を重視しなければいけない。心の病の看護は、まず参考書を捨てることから始まる。 例えば国際判断基準では、うつ病とはどんな楽しいことがあっても晴れないような落ち込んだ気分、何もする気にならないし何をしても面白くない、考えが進まない、何をしてもゆっくりにしかできない、体重が減るほどの食欲低化、毎日続く不眠、自分を責めるような気持ち、疲れやすい、死にたくてたまらない、といった症状のうち5つ以上が2週間続いた場合をいう。 僕はこれらの症状のうち5つが2週間以上続いている。だけど僕はうつ病ではない。うつ病かもしれないと憂鬱になることもない。ただ、これらの状態が僕を取り巻いているに過ぎない。僕なんて2週間どころか27年間慢性的に自分を責めてばかりである。 だから、国際判断基準がそのままピタリをその人に当てはまるかなんて実際のところわからない。それは「目安」として留めておくべきだと思う。 うつ病になりやすい性格の一つのパターンは、人付き合いが良く、親切、活動的で熱中しやすいという性格(循環気質)、もう一つのパターンは、責任感が強い、几帳面、とことんやらないと気が済まない、何かあると自分を責めてしまう、人に気を遣うという性格(執着気質)の2種類が挙げられる。二つとも生活の中で、人に好まれ、信頼されるタイプの性格であることは言うまでもない。 かといって、僕はどちらのタイプなのかと考えた場合、どちらもピンとこない。この通りお調子者だし、負の感情を表に出さない正確だから人に好まれることも多いかもしれない。しかし決して信頼されるタイプではない。僕は僕自身、ある程度の無責任さを持っているということが長所だと思っている。おまけに几帳面ではないし、人に気を遣っている風でもない。 心の病は、目に見えなくて、看護に苦労することもあるけれど、その人にずっと接していると、見えないものも見えてくる。見えないものを見る。この技術をこれからも磨き続け、一番見えないもの。そう、自分自身の見えないものが見えるように、そしてその技術を患者に還元できるような看護をしていけたらいいと思う。 |
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