2003年06月01日(日)  青椒肉絲。
「朝から何も食べてないんだよ」
 
なんてことを飄々と申しておりますが、そういう事態に陥るのは必然的であって、午後に起床し、ベッドの上に腹這いになって脚を交互にガクンガクン曲げながら小説を読んでいたら、いつの間にやら太陽が沈みかけていて、そういえばお腹が減ったナカナカ減った。などと独り言を呟きながら、この空腹という事態を如何に楽をして解消しようかなどとグダグダ考えていたところ、部屋のチャイムがピンポンと鳴り、ドアを開けましたところ隣の部屋の女性が立っている。やぁこんにちは。今日の天気は晴れても雲ってもどっちでもいいんだけどお腹空いたね。CDを何枚か借りていたので、それの返却に参りましたか。へぇ。バイト終わったばかりなんだ。お疲れ様。お腹空いたでしょ。僕も空いた。実は「朝から何も食べてないんだよ」
 
「私なにか作ります。ちょっと待ってて」
 
やった。やったよ。空腹という事態を憐憫を誘うことによって免れた。鼻歌を唄いながら夕方になって漸く顔を洗う。外で喧嘩をしている猫の声が聞こえる。どうせ残飯を漁りながら争っているのであろう。平和だね。実に平和。今日も今日とて何も成し得ずに一日が終わってしまうけどそんなのエニシングオッケーです。相変わらず将来のビジョンなんてハイカラなものは見えないけれどエビバデプッチーです。今夜の飯にありつける。それでいいじゃないか。それが幸せというものではないでしょうか。
 
約30分後。「できましたよー」とエプロン姿の隣の子。わぁ。へへ。へへへ。鼻の下が自分でも驚くくらい伸びる伸びる。玉子のスープと青椒肉絲。青椒肉絲と書いてチンジャオロースーと読みます。本場の料理です。中華料理なのに、隣の子はそれが家庭料理となる。ファンタスティック且つグローバルです。
 
「材料はお湯で下茹でしました。お肉もレンジ使って柔らかくしてます。さっぱりしてるでしょ」
 
彼女はバイトで料理を作っているらしく、まさしく本場のプロの味。こちらへ引越して初めて本格的な手料理を食べました。そしてこれからも数え切れない程のCDを貸そうと思いました。うん。これは照れ隠し。

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