2003年05月27日(火)  感染。
昨夜からどうも喉の調子が悪く、皆は喉の調子が悪いときに「喉がイガイガする」と言うが、僕は昔からイガイガとはどのような状態なのかいまいち理解できず、もしかしたら僕の今の喉の状態はイガイガなのかもしれない。しかし全然僕的にイガイガっぽくない。とイガイガの真実を探求しているうちに眠ってしまい、午後1時起床。喉の痛みは一層激しくなり、オハヨウなどと独り言を呟いてみるやいなや、ごっちゃんです。などと関取のような声になっており吃驚。これは重症急性呼吸器症候群ではあるまいか。巷で、有名の。ああとうとう隔離だぜ。洗濯物も取り込んでいないのに、ベランダには出ても構わないのだろうか。
 
厚生労働省に電話。
「日本に旅行中の台湾の医師と松屋で一緒に牛めし食ってからどうもイガイガするっぽい」
「今すぐ! バファリンを!」
と、厚生労働省の電話係が関西空港の検疫所職員のようないい加減な対応をしたので、バファリンで喉のイガイガが治まるとはとても思えず、僕だって元看護師なのだからそれぐらい理解できるし、商品名シマターゼなどの消炎鎮痛剤などが手元にあればすぐさまそれを服用し、再び就寝するのであるが、生憎手元にはコンドームしかなく。賃貸アパート独居生活の26歳無職青年の部屋にコンドームなど置いてあっても意味が無く、仕方無く、炊飯ジャーの上に乗ってあったレーズンシナモンドーナツを食して就寝。
 
目覚めるとマンションの入口に黄色いビニールテープが張り巡らされており、訳がわからずテレビをつけると僕が住んでいるマンションが生中継されている。わぁ。殺しでもあったんだろうか。このマンションで。多分、1階のコインランドリーの乾燥機が故障しているのに腹を立てての犯行であろう。馬鹿が。乾燥機など使わず晴れた日にベランダに干せばいいものを。と、そういうわけでもなく、テレビの左上を凝視すると「日本人初のSARS感染者を埼玉で発見!!」と、テロップが。発見!!と!マーク2つ。発見発見。埼玉で日本発とは快挙じゃないか。うほー。多分僕のことだぜ。空ではバラバラバラバラとうっとおしい音を立ててヘリコプターが何台も飛んでいる。カーテンを閉めて再びテレビを見ると、厚生労働省へ場面が変わっている。
 
「本日の午後、ある男性より松屋で牛めしを食ってからイガイガすると厚生労働省へ電話があったようですが、この情報を受けた厚生労働省職員は通報を放置していました。『そういう趣旨の電話を受けたという記憶のある職員はいましたが、詳細な記憶はないとのことです』と厚生労働省役員は会見でこう述べております」
 
ほれみろ。あのときバファリンなど勧めたからこんな事態になってしまったんだ。あのときシマターゼを服用しておけば日本初の感染者を埼玉で発見されずに済んだんだ。おそらくボーナス減給であろう。役員も大幅カットであろう。ボーナス払いを宛てにしていた住宅ローンも全額払えずに家族崩壊。あの鈴木さんちのご主人、厚生労働省にお勤めだったらしいのに、どうして突然夜逃げなんてことをしたんでございましょ。と田園調布。僕は金持ちが嫌いなので、ベランダから逃げ出して、今から田園調布に言ってバイキンをいっぱい蒔いてこようと思う。

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