2003年04月15日(火)  娯楽の話。
僕はよく本を読みます。少しでも空いた時間があればそこに活字を探します。今日買った本『壊色』町田康。『パルプ』C・ブコウスキー。現在読んでいる本『きりぎりす』太宰治。読書の何が素晴らしいかと申しますと、非常に経済的な娯楽であるからです。僕が文庫本を好む理由はただそれだけ。お金がかからない。
 
パチンコ。あれは娯楽じゃなくて、切実なものを感じるので敬遠。釣り。うちの職場の看護士さんの過半数が釣りを嗜んでおります。ナースステーションには『急性期 経過別看護』とか『精神保健 疾患別マニュアル』などの本の間に『釣恋人』なる本が置いてあります。夜勤の暇な時間に看護士さんたちは大海に思いを馳せるのです。ちなみに『釣恋人』と書いて「ツレンド」と読むみたいです。ツレンド。釣が恋人。心細いじゃないか。
 
うちの職場には熱狂的な消防車マニアがいます。消防車マニア。同じ地球に生まれて似たような環境に育って、どこでどうやって消防車に魅力を感じたのかわからないけれど、とにかく消防車マニア。わざわざ昼休みに僕のところまでやってきて「今日発売日だったんだ!」と雑誌を見せるのです。『Jレスキュー』消防・防災・レスキューをテーマとする新カテゴリーマガジン! Jレスキュー! わぁ! すげぇ! 消防車ばっかり載ってるじゃないですか! ��型はしご車だって! すげぇ! 感動した! って別に感動しないわけですよ。たかが消防車ですよ。
 
ちなみにこの消防車マニアの最近のオススメは『消救車』だそうです。消防車と救急車の機能が一台の車に収まったという画期的な車両。「火事で怪我人出てもこれ一台で大丈夫なんだぜ!」と意気込んでいるけど、はい火事発生しました。怪我人が出た模様。消救車出動。ピーポーピーポー。現場到着。怪我人は全身に火傷を負っている様子。だけど消救車だから大丈夫。炎は隣家にも燃え移った様子。だけど消救車だから大丈夫。一台二役。怪我人を車内に運びます。まだ火が消えてないから車の中でちょっと待っててね。30分経過。もう少しで鎮火します。怪我人「つーかすげー火傷が痛いんですけど」もうちょっとで鎮火するから待っててね。よし鎮火。病院へ向かいましょう。医者「あと30分早かったら命が救えたと思います」なんてことになるのです。怪我人は助けたいけど火が消えない。火を消したいけど怪我人がいる。そんなジレンマを抱えた憐れな車両消救車。
 
「うーん……。そりゃそうだよなぁ」なんて消防車マニアはその日一日考え込んでしまって、仕事が終わる直前に僕のところまで来て「つーか火事が起きても消救車1台で出動するわけじゃないんだから!」とすごい形相でもっともな意見を申しましたので、なんだか消救車より憐れに思ってしまいました。

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