2003年04月14日(月)  結婚。ポークソテー。
「ご飯食べに行こうよー」と電話。
「今どこにいるの?」
「1人で食べてるー」
 
食事中にご飯食べに行こうよなどと誘うのは少し馬鹿げている気もするけど、1人で食べている彼女のことを考えると少し不憫な気もするので、さっき晩ご飯を食べたばかりだけど、靴下を履いてジャケットを羽織って車で彼女がいるレストランまで行った。
 
「ごめん遅くなって」
「いいよいいよー。何食べるー?」
「じゃあポークソテー」
 
ポークソテーを食べる。1時間前に晩ご飯を食べたばかりだけど肉厚2センチ程のポークソテーを食べる。
 
「で、どうしたの? 食事に誘うなんて久し振りだね」
 
雨が降っている。レストランの窓が街路灯や車のヘッドライトを雨という媒介によって、不思議な色に染まっている。
 
「うん。えとね。これ食べないのだったら、ちょうだい」
「いいよ」
「えとね、結婚することになったの」
「マジで?」
「うん。自分でも信じられないんだけど」
 
結婚。彼女は僕のポークソテーを頬張りながら、いとも簡単に人生の重要な意味を占める言葉を呟いた。
 
外は雨が降っている。
 
「で、私思ったの。結婚というのは、1人でレストランで食事するより楽しくて、寂しいってことを」
「うん。普通に意味がわからない」
「結婚すればわかるわよ」
 
外は雨が降っている。僕は黙ってポークソテーを頬張った。

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