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| 2003年04月01日(火) こどもなんだから。 |
| 母親とは2ヶ月か3ヶ月に1度会うか会わないか。そのくらいの頻度。たまたま電話をしてたまたま休日が重なったとき「じゃあ今度帰るよ」ということになる。 久々に母と会った。僕は毎回母と会う前日に洋服屋に行って、母の洋服を2・3着買う。なんというかこれはもう趣味の範疇で、女性用の服を僕の意志で選ぶということに密かな楽しみで、僕の意志で僕の選択で購入した洋服を相手が着ることによって、気持ちがストレートに通るような、そんな感じがするのである。それがたとえ母親であっても。 というわけで今回は春物のセーターとカーディガン、あとスカート。丁寧にラッピングしてもらって、車の助手席に乗せて母親に会いに行く。2人で本屋に行って長い時間立ち読みしてそれぞれ小説を購入して、食事をしながらそれぞれが贔屓している作家の話をして、将来の話をして、結婚の話をして、孫が見たいだの見たくないだのという話をする。 「まぁ、2回くらいは結婚するべきね」 なんて母は淡々と話す。2回くらいは結婚するべきかぁ。僕はそろそろ1回目の結婚がしたいなぁ。ということを話すと、 「あんたは無理よ。まだ子供なんだから」 と言う。子供じゃないぞ。大人だぞ。ただ単に、そういうドラマティックというかロマンティックな出逢いに乏しいだけなんだ。今に見てろ。孫の1人や2人。嫌というほど面倒見させてやるんだから。 妹2人、それぞれ彼氏と同棲。もしくは半同棲というなか、長男だけがいつまで経ってものらりくらりとやる気があるのかないのか、真剣なのか遊んでいるのかわからない恋愛をしている。母はそれを見て楽しんでいるようでもある。 「もっと伸び伸びと生きなきゃね」 と母は笑って言った。伸び伸びと生きる。母はもう何年も前に離婚して、それから何年後かに新しい男をつくって生き生きとしていたなか、僕はその40代半ばの男を呼び出して罵声を浴びせながら殴って蹴って、ボロボロにした。僕はまだ20代前半で、今とは比べ物にならないくらい荒々しくて、何に対しても過敏に怯えていた。あの件があって以来、肋骨が折れて胸にテーピングをしていたあの男は僕を避けるようになり、結局、母親のもとからも逃げ出してしまった。今でも思うけど、あれから暴力以外のいろんな考えを持つようになった今でも思うけど、あの時の僕の行動は、間違ってはいない。理由は? と聞かれると困ってしまうけど、なんとなく、漠然的に間違っていないような気がする。 妹の彼氏も、やはり20代前半に僕が一度部屋に呼び出して脅しをかけてから僕の前に姿を現さない。今でも妹と付き合っているけれど、いつまでも僕に怯えている。僕はこんなに大人になったのに。 「あんたはまだ子供なんだから」 食後のコーヒーを飲みながら再び母親が呟く。時々プレゼントの中身を気にしながら、いつも笑顔で、子供を見守っている。 |
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