2003年03月29日(土)  それいけぼくらの。
「アンパンマンはキミさー♪」
「……」
「元気を出してー♪」
「……」
「アンパンマンはキミさー♪」
「おい」
「力のかぎりー♪」
「おいって」
「あ、はい、なんですか」
「仕事中に何歌ってんだよ」
「アンパンマン体操です」
「そういう意味じゃなくてどうして仕事中に鼻唄なんか歌ってるんだって聞いてるんだ」
「あ、そうでしたか」
「そうだ」
「アンパンマンはキミさー♪」
「……」
「勇気を出してー♪」
「……」
「アンパンマンはキミさー♪」
「おい」
「信じることさー♪」
「おいって!」
「あ、はい、なんですか」
「なんですかじゃないだろう。さっきから何歌ってるんだ」
「だからアンパンマ」
「ン体操ですってそういうことじゃなくて!」
「じゃあ何ですか」
「理由を聞いているんだ。仕事中に鼻唄を口ずさむ理由を聞いているんだ」
「先輩が」
「僕が?」
「そうです。先輩が」
「僕が?」
「最近、太ったんじゃないかなぁって」
「太ってねぇよ」
「ホッペがアンパンマンみたくなってるなぁと思って」
「なってねぇよ」
「いや、絶対太りましたよ先輩」
「太ってねぇよ」
「絶対太りました」
「絶対太ってねぇよ」
「太りました!」
「太ってねぇよ!」
「あ、そうですか。じゃあそうして下さい」
「なんだよ! その含みのある言い方はよ!」
「先輩は太ってません。僕の間違いでした。アンパンマンじゃないです」
「畜生。ムカつく後輩だ」
「イタッ! 何するんですか!」
「あぁ、ゴメンゴメン。ムカついたからつい手が先に出っちまった」
「痛いなぁ。アンパンチ」
「今何っつった!」
「痛いなぁって」
「そのあと!」
「切ないなぁって」
「そんなこと言ってねぇだろ! 嘘つくなよコノヤロ!」
「く、苦しい! 何するんですか!」
「あぁ、ゴメンゴメン。ムカついたからつい首を締めちまった」
「苦しかったなぁ。アンロック」
「え? 何? 今何っつった?」
「苦しかったなぁって」
「そのあと!」
「侘しいなぁって」
「そんなこと言ってねぇだろ! アンロックっつったろ! なんだよアンロックって! アンパンマンそんな技使うのかよ!」
「アンパンマンの話なんてしてないじゃないですか」
「してんじゃん! さっきからしてんじゃん!」
「物事に固執しすぎるとろくな大人にならないですよ」
「後輩に言われたかねぇよ! アンロックって何だよ!」
「あぁ、お腹空いたなぁ」
「話題を変えるなよ!」
「先輩」
「なんだよ」
「頭食べていいですか」
「ぶっ殺す!!」
 
久々に体重計に乗ったら5キロ太っていた。

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