2003年03月13日(木)  ハヤクカエレ!
午後5時。アパートのドアをノックする音。「こんにちは後輩です」そんなの言わずともNHKのオヤジでも宅急便の兄さんでもなく後輩だった。メガネの後輩。「歩いてきました」後輩は雨に濡れたジャンバーを脱ぎながら言う。後輩のアパートから僕のアパートまで歩くと多分30分以上かかる距離だと思う。車で来ればいいのに。「どうして歩いてきたの?」という僕の問い掛けを期待してそうだったので、敢えて無関心を装って「もうすぐ戦争始まるぜ」なんて強制的な話題変換。
 
おもむろに靴下を脱ぎ始める後輩。「これ捨てていいっスか?」と言って雨に濡れた靴下をゴミ箱に捨てる。「代わりの靴下下さい」と言うので代わりの靴下を渡す。「もっといいやつ下さいよ」と言うので、後輩のメガネを取り上げて僕がかける。目の前が歪んだ異次元になる。こいつはこんな異次元メガネから世間を眺めてるからなんかムカつくんだ。メガネをかけたままメガネ音頭を踊る。「なんスかそれバカにしてんスか」と後輩泣き声で訴える。訴えを退けて僕はメガネ音頭を踊り続ける。
 
メガネ音頭が一段落していよいよ後輩が真剣に落ち込み出した頃、仕事を終えたもう1人の後輩が登場。こいつはなかなか物分かりがいい後輩なので重宝している。「タバコが、ないや」と言うや否や「あ、買ってきましたよ」とポケットからタバコを取り出す。できた子だ。メガネの後輩といえば、やっと自分の元へ帰ってきたメガネを再び外して床に置いて「メガネ、メガネ」と横山ヤスシをやっている。僕はそれを再び取り上げメガネを装着しメガネ音頭を踊る。踊るメガネに見るメガネ。同じメガネなら踊らにゃ損々。
 
ややあって先輩登場。今日は、何の日だ? どうしてみんな僕の部屋に来るんだ? おい、メガネ、今日は何の日だ。「今日はサンドイッチの日です」なんだよそれ。意味わかんないよ。「3月13日で1が3にはさまれてるからサンドイッチの日なんです」嘘つくなよメガネ。メガネぶんなよ。「ちなみに今日は今田耕司の誕生日でもあります」知らないよ。メガネはメガネらしくちょっとした雑学博士なのでたいていの質問をこのように的を外した答えで返してくれる。サンドイッチなんてどうでもいいんだ。今日は、どうして、みんな仕事帰りにうちに寄るんだよ。あ、先輩、どうも。冷蔵庫に、缶コーヒー入ってますから適当に飲んで下さい。
 
男4人6畳1間。プレステ2。実況パワフルプロ野球。ゲーム大会かよ! しかも僕の承諾なしで! あっ、盗塁すな! 汚ねぇ! バントかよ! あっ、盗塁すな!
 
意外と盛り上がりに欠けたので、近所の中華料理店に晩飯を食べに行く。「8年間、お疲れ様でした。次の職場でも頑張って下さい」また送別会ネタ。もう飽きた。それから再びアパートに帰ってきて、後輩と先輩はまたゲームやってます。僕はこうやって日記を書いてます。さっきから頭の中でオールスタンディングで帰れコールを連呼しているのだけど、いかんせん、そのコールは頭の中だけでこだまするので、後輩や先輩の耳には届かないのです。ハヤクカエレ!

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